東芝の巨額粉飾決算事件、フォルクスワーゲンの排ガス試験データ改ざん事件、旭化成建材の杭打ち工事データ改ざん事件等々、企業の偽装事件が後を絶ちません。過去にも数々の大企業の偽装事件が起こり、大きな社会問題となり、その度に再発防止策が講じられてきたはずですが、なぜこれ程までに繰り返されるのでしょうか。
その背景にはいつも、目先の業績を上げるために、顧客との信頼より企業利益の最大化を優先させる企業の姿勢があるように思われます。
渋沢栄一の言葉に「富をなす根源は何かといえば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」とあります。
企業が永続していくためには、顧客や社会に信頼される製品・サービスを正しい方法で提供することを通して社会に貢献しなければならず、その事業活動を継続するための原資が利益といえるでしょう。
利益が目的化して正しい道理を実践できなければ、社会は企業の存続を許さないことを経営者はもっと強く意識する必要があるのではないでしょうか。
2015.11.01
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