混迷を極めたギリシャの債務危機問題は、EUの第3次金融支援により、ギリシャの破綻とユーロ離脱はひとまず回避されました。
ひるがえって、日本の財政は大丈夫なのでしょうか。
ギリシャの公的債務は対GDP比率が約180%ですが、日本の比率はそれを大きく上回る約240%です。多くの専門家が、ギリシャの債務は対外である一方、日本の債務の9割以上は対内であるので、破綻リスクは小さいと考えているようです。
しかし、その考えは、対外債務は反故にできないが、対内債務は反故にできるという前提に立っているのではないでしょうか。自国民になら、いくら負担をかけても大丈夫ということなのでしょうか。
また、ギリシャの公的債務が約40兆円に対し、日本のそれは約1,000兆円です。絶対額にあまりにも違いがあります。ちなみにトヨタ自動車の他人資本は約30兆円、有利子負債は約20兆円ですので、ギリシャの債務規模は、民間企業レベルといえなくもないでしょう。
確かに、日本にギリシャのような差し迫ったデフォルト(債務不履行)の危機はないのでしょう。しかし、事が起こったときの深刻さは、ギリシャの比ではないでしょう。
国家でも企業でも、財政が健全に維持できてはじめて、永続的に発展できるはずです。時間的猶予がある間に、国家をあげて財政健全化に取り組み、世代間格差が解消された平等で公明正大な日本社会が実現し、いつまでも維持発展できるようになることを願ってやみません。
2015.8.01
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