Business Forum Kobe 21
トップページ >月刊コラム >【個人情報流出】

【個人情報流出】

 日本年金機構の持つ101万人分の個人情報サイバー攻撃流出しました。問題の発端となったのは5月8日に1台の端末で感染が発見されたことですが、その際にネット接続が遮断されたのはその1台の端末だけで、全端末のネット接続が遮断されたのは29日だったそうです。その合間の18日に数十台の感染が判明し、21日に情報が大量流出したと見られています。

 もっと早く適切対策が打たれていれば大量流出は抑えられたはずだとの批判にも頷けます。おまけに機構が問題を公表したのが6月1日であったことからしても、機構の対応スピード感がなく不誠実であることを物語っているようです。

 また、年金情報流出問題に便乗し、高齢者などから金をだまし取ろうとする不審な電話が増え続けていて、実際に被害も発生したようです。問題拡大しないよう、また、再発防止のために万全の対策をとって欲しいものです。

 平成28年1月からマイナンバー制度が開始されますが、年金情報のみならず、診療情報申告・納税情報住民登録情報等々が関連づけられます。将来はさらに金融機関情報病院カルテ情報等への利用も検討されています。もし、個人情報が流出した場合の被害は計り知れないものとなるでしょう。

 人間の造るシステムに完璧はないでしょう。そしてそのシステムを運用するのも人間です。人間の行動には失敗がつきものです。

 マイナンバー制度導入にあたり、便利さの裏に潜むネット社会脆弱性とその弊害を見つめ直し、英知を結集して、慎重に慎重を重ねる対策を講じて、信頼性の高い安全システムを構築していくことが緊急かつ重要な課題になるのではないでしょうか。

2015.7.01

月刊コラムのトップページへ
トップページへ
Copyright (c) 2006 Business Forum Kobe21 All Rights Reserved.