「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺があります。「桜は切ると腐りやすく、枯れることもあるが、梅は切ることで花つきが良くなり、樹形も綺麗になることから、木もそれぞれの性質に応じた手入れが必要である」という意味に使われます。
桜も梅も同じバラ科の花木で、花の形もそっくりなのですが、手入れの方法が正反対なのは不思議な気がします。このことは人間についても当てはまるのではないでしょうか。
同じ人間でも人によってその性質は千差万別です。人を育てる場合も、その人の特性に応じた育て方をしないと、立派に育てることはできないでしょう。自由な環境で育つ人もいれば、細やかな指導で育つ人もいます。厳しい指導をバネに育つ人もいれば、褒めて自信をつけさせることで育つ人もいます。どの分野で育つかも人によってまちまちでしょう。
「企業は人なり」といいますが、人を育てることは、経営者の最も重要な仕事の一つでしょう。経営者が人を育てるにあたっては、その人が機械ではなく生身の個性を持った人間であることを理解し、画一的に育てようとしたり、自分の都合のいい従業員に育てようとするのではなく、一人一人の気質・性格・才能・特技等に応じた育て方を考えて、それぞれの個性と能力を大きく開花させることが、強い企業を作ることにつながるのではないでしょうか。
2015.4.01
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