人材不足が叫ばれています。この6月の有効求人倍率を見ても1.1倍と高い数値となっています。アベノミクスや東京五輪の政策効果もあるのでしょう。
リクルートワークス研究所の調査によりますと、@採用人数を確保できていない企業が全体の3分の1にのぼる、Aそのうち50%以上は事業に影響が出ている、B52.7%の企業で人材確保解消の見通しがない等々、人材不足の実態が浮き彫りにされています。
その一方で6月の完全失業率は3.7%と、さして低下が見えません。この原因として、雇用のミスマッチが失業原因の大きなウェイトを占めていることが指摘されています。その雇用のミスマッチの原因として、若者の大企業志向・就業意識の低下・能力不足や、建設業や介護事業等の人材需要がある業界が仕事のきつさからか敬遠される傾向にあること、就業意欲のある主婦や高齢者を十分に活用できていないこと等々、様々なことが言われています。
ドラッカーの言葉に、「今後のマネジメントにとって、個人の価値観と、生きがいと、意欲を、組織のエネルギーと成果に及ぼすことが重要な仕事となる。」とあります。
少子高齢化、産業構造の転換、個人の価値観の変化等、雇用のミスマッチが生じやすくなっている社会環境において、いかに働く者のやりがいを組織の生産性につなげることができるかが、経営者にとって、ますます重要な課題となるのではないでしょうか。