鯉のぼりを見かけることが少なくなったような気がします。少子化や伝統文化に対する意識の低下が原因なのでしょうか。鯉のぼりは江戸時代に生まれましたが、中国の登竜門伝説になぞらえ、黄河上流の竜門と呼ばれる激流の滝を登り切った鯉が竜となって天に昇っていったように、子供たちが大志を抱き、人生の激流を乗り越え、立身出世できるようにとの願いが、鯉のぼりにを込められたといわれています。
クラーク博士の有名な言葉に、「少年よ、大志を抱け。」とありますが、その言葉に続けて、「お金のためでなく、私欲のためでもなく、名声と呼ばれる儚(はかな)いもののためでもなく、人としてあるべきあらゆることの達成のために、大志を抱け。」と述べています。
四半世紀も続いたデフレ経済の下で、あらゆるものがダウンサイジングし、企業財務や家計のみならず、人々の抱く志さえも小さくなってしまったのかも知れません。
鯉のぼりに込められた願いを再認識し、私利私欲を乗り越え、大志を抱いて、激動の時代を力強く切り開いていける人材が一人でも多く輩出されることを願う今日この頃です。