Business Forum Kobe 21
トップページ >月刊コラム

【塞翁が馬】
  
 「人間万事塞翁(さいおう)が馬」という諺があります。人生の吉凶禍福計り知れず、幸福が不幸に、不幸が幸福にいつ転じるかわからないのだから、一見幸福に見えることも喜ぶに足りず、一見不幸に見えることも悲しむに足りないものである、という意味で、次の故事を由来としています。
 昔、中国北方の塞(とりで)近くに住む老人の馬が逃亡し、人々が気の毒がると、老人は「これは幸いになるだろう」と言いました。やがて、その馬は別の駿馬を連れて戻ってきました。人々が祝うと、今度は「これは禍になるだろう」と言いました。すると駿馬に乗った老人の息子は、落馬して足の骨を折ってしまいました。人々がそれを見舞うと、老人は「これは幸いになるだろう」と言いました。その後、戦争となり多くの若者たちが戦死しましたが、足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済みました。
企業経営においても、吉凶こもごも、山あり谷ありです。一時の成功慢心油断を生み、イノベーション止めてしまい、衰退の原因になったり、失敗が逆境を乗り越える強い精神力を生み、イノベーション推進する原動力になることは、往々にしてあることです。経営者には、一時の浮き沈みに、一喜一憂せずに、現実を見極め、その時々のベストを尽くせるよう冷静意思決定をするために、「塞翁が馬」の精神が求められるのではないでしょうか。
(2014.01.01)

Copyright (c) 2006 Business Forum Kobe21 All Rights Reserved.