ドラマ「半沢直樹」の最終回の瞬間最高視聴率が、関西地区で50.4%、関東地区で46.7%だったそうです。主人公の銀行員が理不尽な上司に立ち向かう正義のヒーローとして人気を博し、「やられたらやり返す、倍返しだ。」のセリフが流行し、ドラマの影響で土下座強要事件が現実に起こってしまう程の社会現象となりました。
ドラマの原作者の池井戸潤さんが、「半沢の真似はしないほうがいいですよ。くだらない上司やいやな客はどこにでもいる。不満を抱えていてはもったいない。与えられた仕事の中で工夫すればリターンがあるはずです。」と語っていますように、復讐はドラマのヒーローに任せて、実社会では、不満をくすぶらせるより、与えられた環境で精一杯創意工夫して楽しく生きる方が賢明なのでしょう。
菜根譚の言葉にも「人、我に恩あらば忘れるべからず。しかして、怨みはすなわち忘れざるべからず。」とあります。「人から受けた恩義は忘れてはいけない。しかし、人から受けた怨みは忘れた方が良い。」という意味です。怨みではなく、恩や親切こそ倍返しできれば、真に豊かな人間関係を築けるのではないのでしょうか。