去る4月8日、英国のマーガレット・サッチャー元首相が87歳でご逝去されました。1979年から11年間、首相を務められました。
当時の英国は、主要産業の国有化、労使紛争の頻発、財政の肥大化等で、競争力を失い経済が長く停滞していました。サッチャー氏は、「鉄の女」と呼ばれた断固たる信念で強い指導力を発揮し、国営企業の民営化、規制緩和、外資誘致、ストライキ規制、財政削減等を進め、英国経済を復活させました。小さな政府の下で経済の自由化を実現する政策はサッチャリズムと評され、日本を含む先進各国の経済改革に大きな影響を与えました。
その一方で、失業や所得格差の増大等、改革に伴う痛みから、弱者切り捨ての政治とも批判されました。
日本が、失われた20年から抜け出し、かつての英国のように復活できるかどうかの岐路に立たされている今、日本のリーダーたちには、サッチャー改革の功罪を見つめ直して、改革の方向性を決定し、リーダーシップを発揮することを、時代に求められているのかも知れません。