孟子の言葉に、「
道は
近きにあり、しかるにこれを
遠きに求む。
事は
易(やす)
きにあり、しかるにこれを
難(かた)
きに求む。」とあります。「行うべき道は
身近にあるのに、人はわざわざ
遠いところに求めようとする。本当は
簡単な
物事でも、人は
難しく考えようとする。」という意味です。
ビジネスにおいても当てはまることが沢山あるような気がします。地元で業績が伸ばせないからといって、遠方地域の新規市場開拓をしようとしても、簡単にいくものではありません。今いる社員の貢献度が低いからといって、見たこともない理想の社員を求めても、簡単に採用できるものではありません。今いる会社が面白くないからといって、聞いたこともない理想の会社を求めても、都合良く就職できるものではありません。
目の前のお客様に本当に満足して頂けているのか、今いる社員の能力を本当に引き出せているのか、そのために簡単にできる創意工夫・改善改良がないのか。今いる会社が面白いと思えるように、お客様や会社の仲間に喜んでもらう日々の簡単な努力ができているのか、等々、足下を見つめ直せば、見えてくることが沢山あるかもしれません。
壁にぶつかったときに、物事を複雑に考え、現実から逃避したところに解決策を求めようとするより、基本に立ち返り、問題をシンプルに解きほぐし、一つ一つの問題に真摯に取り組んでいくことが、結局近道であることが多いのではないでしょうか。