全国で高齢者の所在不明が相次いで判明しています。我々が思っている以上に地域コミュニティーの崩壊が進んでいるのでしょうか。 それを発端として死亡者・不明者の年金を家族が不正受給していた事件も次々と発覚しています。また、生活保護費の不正受給や、生活保護費を狙った貧困ビジネスが横行し、社会問題となっています。
年金については、3年前に記録もれ問題が大きな社会問題になりましたが、行政と国民双方のモラルが低下すれば、市民生活に最も大事なものの一つである社会保障制度の基盤が崩壊しかねません。
孟子の言葉に「恒産なければ、恒心なし」とあります。生活が安定しなければ、人の心も安定せず、節度も失われてしまう、という意味です。長期化する経済の低迷が、国民のモラル低下の背景になっているのかも知れません。
少子高齢化も進み、国民の将来への不安が大きくなっていく状況下、政府が掲げる「強い経済、強い財政、強い社会保障」が実現できることを願う今日この頃です。
(2010.09.01)