政権交代後初めてとなる平成22年度の税制改正法
案が成立しました。注目すべき大きな改正がいくつもあるように思えます。
まず、実質一人会社のオーナー給料の損金算入制限が廃止されました。この規定は、課税根拠が不明
瞭で、課税公平、担税力の観点からも合理性に欠く、まさに取りやすい所から取るといった制度でした。中小零細企業には朗報といえます。
また、グループ法人税制が創設され、100%
グループ内の一定の取引から生ずる損益を認識しないようになります。グルー
プ内で資産の売却損を出す節税スキームが封じ込まれることとなりますが、一方では、グループ内での利益供与について生じる寄附金課税の問題を
回避する道が開けました。
消費税に関して
は、アパート建築費に係る消費税の還付スキームを封じ込めるための改正がなされました。そもそも消費税は消費者が負担する税金で、事業者に負担が生じない性質の税金のはずな
のに、一部の事業者に消費税の負担が生じるようになっている消費税法そのものに根本原因があるにもかかわらず、節税けしか
らんといった論調になっているように思えます。
巷では、消費税率引き上げ議論が高まりつつありますが、その前に、政治家にはもっともっと税法のしくみ・からくりを理解して欲しいものです。