中国の古典「菜根譚」の中に「変に処しては、まさに百忍を堅くしてもって成るを図るべ
し」とあります。 危機に見舞われた時は、ひたすら耐え忍んで目標を達成すべきである、という意味です。まさに混迷する現在の日本の社会・経済にぴったりの言葉
のような気がします。豊かになった故に希薄化した忍耐という精神性が求められているでしょう
か。
一方で、「荘子」の言葉に「窮もまた楽しみ、通もまた楽しむ」とあります。一度きりの人生、山あり谷あり、窮地に陥った時も、順調な時も楽しむべきである、という意味です。
多くの忍耐を求めら
れる危機的な情勢においても、好機の到来を夢
見て、今を楽しむ心の余裕こそ、混迷の時代を生き抜くため
に必要なものなのでしょう。