普通の人が突如として暴発して引き起こす凶悪犯罪が後を絶ちません。その背景として現代ストレス社会が指摘されています。物質的な豊かさとは裏腹に、満足する心、困難に立ち向かう精神力が弱くなってしまったのでしょうか。自分の置かれた状況にストレスを感じた時に、精神を制御できずに、周囲の人々や社会に対する強い憎悪の感情を膨張させていくのでしょうか。
中国の古典『戦国策』の中に｢怨(うら)みは深浅(しんせん)を期(き)さず、それ心を傷(そこな)うにおいてす。｣という言葉があります。｢些細なことでも、人の心を傷つければ、思いもよらない怨みを買うことになる。｣という意味です。今も昔も、人の自尊心ほど扱いにくいものはないようです。
現代ストレス社会において、経営者の方は、企業の様々な利害関係者の心を満足させないと経営の舵取りが難しくなっていくようです。経営者にとって人徳と知恵が問われる時代になったのでしょう。
