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【自由主義経済とは?!】
去る11月15日、米国大リーグの入札制度でレッドソックスが60億円で西武の松坂大輔の交渉権を獲得しました。西武が松坂にこれまでに支払った契約金・年俸の総額が14億円足らずと言われていますので、46億円以上の投資利益を得て、これまでの松坂の働きをタダに出来たことになります。自由主義経済においては、富の偏在を助長するマネーゲームが行われうる事を見せつけられたような気がします。かといってレッドソックスにとって60億円が高すぎる買い物であると断ずることは出来ないでしょう。期待される放映権収入、広告収入等の収入増加、その他の経済効果が60億円を上回れば、安かったと言えるし、下回れば、高かったと言えばいい話でしょうから。
 奇しくもその翌日11月16日にノーベル経済学賞を受賞した米国の自由主義経済学者のミルトン・フリードマンが死去しました。94歳でした。市場原理を尊重し、財政出動など政府の市場への干渉を極力小さくし、通貨供給量の調整による経済運営(マネタリズム)を主張してきました。その理論は、米レーガン政権、英サッチャー政権を始めとして、日本を含む先進各国の規制緩和、構造改革に多大な影響を与えてきました。
 この二つの出来事が、自由主義経済の尊さとそれが抱える矛盾とを再認識させてくれた気がします。

(2006.12.01)

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