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【窮鼠(きゅうそ)猫を噛む】
去る10月9日、北朝鮮が核実験を行いました。日本にとって核の恐怖が、まさに今そこにある危機になってしまいました。拉致被害者の一部帰国は、外交努力として大いに評価できますが、核問題を軽視し、唯一の被爆国である日本が隣国の核開発を許してしまったことは、外交上の失策ではないでしょうか。アメリカの核の傘の下で平和を当然のものと思ってきた日本人の安全保障に対する考えに警鈴を鳴らされているようです。
経済的に困窮し、体制維持に腐心する小さな独裁国家が、米国から悪の枢軸のレッテルを貼られ、対話の道を閉ざされ、追い詰められて最後に残ったカードが核実験だったのでしょうか。
窮鼠猫を噛むがごとく、世界の警察を自負する大国アメリカに噛みついた小国北朝鮮がこれ以上追い詰められて自暴自棄になり、核のテロリストへの流出、核保有の拡散、核戦争、放射能漏れ事故などの恐怖が現実になることを回避するためにも、国際社会は協調して、北朝鮮に対話の道を開き、核の放棄を促す必要があります。そのためにも周辺関係国の市民一人一人が国際世論を形成すべく自覚を持つべきでしょう。

(2006.11.01)

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