今年以降に適用される税制改正は、増税が目白押しです。中でも平成16年度改正で個人の不動産の譲渡損失の損益通算が出来なくなったことは、甚だ遺憾です。
デフレ不況下で不良債権処理が叫ばれる中、国民がもがき苦しみ最後の手段として不動産を売却し、損失が発生しても、それが控除できずに課税されるのは、担税能力を無視した強圧的な課税制度ではないでしょうか。
しかも、この改正については、昨年来ほとんど議論されておらず、唐突に改正され、なおかつ、不利益が過去(1月1日)に遡及されるのは、民主社会の法の精神に反する行為であると思います。
われわれ税理士はこれまで以上に、課税の公正と納税者の利益を守るため努力しなければならいことを、痛感させられました。
(2004.05.01)