これが噂で聞く、イタリア名物の・・・
おぉ!初体験だ!などという感慨はこれっぽっちもなく・・・。

エミリア・ロマーニャ州の州都、古代も現代も交通の要所であるBologna、ボローニャに宿を取り、1499年から、当時のローマ法王の息子チェーザレ・ボルジアが「征服」した町を回ること。これが今回の旅の目的でした。

ホテルで朝食を取り、ボローニャの駅へと向かいます。ホテルから駅までは、30番のバスで。フロントのシニョリーナにバスのチケットはどこで買える?と尋ねると、引き出しから24時間バス乗り放題のチケット、6,000リラを出してくれました。今日は、まずFaenza、ファエンツァという町に行って、晩までボローニャには戻って来ないから、せっかくの24時間チケットも朝夕と、2度しかバスにのらないので意味がない。むしろ、損しちゃうじゃない。

そのチケットは必要ないのでいらない、とイタリア語と英語で一生懸命伝えようとするのだけれど、シニョリーナは「この方がお得だから」と繰り返し言うばかり。「いや、だからお徳なのは分かるけど、今日は2回しか乗らないし・・・」と言いかけるのだけど、バスに乗った後のチケットの使い方まで説明してくれる始末。もういいやと、意を伝えるのを諦めて、「いくら?」と尋ねると「プレゼント」だって。
そんな重要なこと、先に言ってくださいよぅ。ただなんだったら、黙っていただいたのに(笑)

ボローニャの駅に着くと、さすがは大きな町。ロビーは、隙間もないほどの大混雑でした。見渡す限りの人、人、人。こんなに人が多いのに、10以上ある窓口は全部閉まっており、、切符の自動販売機は長蛇の列でした。ようやく順番が回ってきたのだけれど、私、自動販売機の使い方が分からない・・・。そういえばこの長蛇の列、やけに進むのが遅いなぁと思っていたら、自動販売機の使い方が分かるイタリア人っていうのが、皆無なんですね。ホント、日本じゃ信じられない!(笑)




皆、切符を購入するまでに試行錯誤を繰り返すので、列の歩みの遅さったら!。私は並んでいる間、前の人が使っている様子をを研究していたのですが、いざ順番が回ってきたら・・・。???。すると、頼んでもないのに後ろから手が伸びてきて、ボタンを押してくれます。これだから、イタリアって好きなんですよね。言葉が分からなくても、ホントにみんな親切にしてくれますからね。あ、でもお兄ちゃん、そのボタンを押したらリセットになっちゃうんだよ。私、前の人のを見ててそれは覚えたんだぁ。「あ、ごめん」「うん、いいよ」ってなわけで、やはり、列の進みの遅さに参加しながら、なんとかファエンツァ行きのチケットを購入することが出来ました。窓口が開いていたら、こんなのすぐに手に入ったのにねぇ。ボローニャ駅ってこんなところなんだ。

さてさて、ファエンツァまでは、4,700リラ、10:43発の11:17分着です。いよいよ憧れの・・・とわくわくしながらホームで待っていると、何やら私の乗る電車についてのアナウンスがあったみたい。イタリアでは、頻繁に出発するホームが変わったり、到着が遅れたりするので、アナウンスに注意をしておくことは必須であります。でも、私は、行き先名と時間、ホームの番号程度しか聞き取るとこが出来ないので、近くにいた駅員をつかまえて聞いてみます。

「ファエンツァへ行きたいんだけど・・・」。「ファエンツァなら13時の列車でリミニまで行って戻っておいで」。

えっ!?な・何て??





私の片言のイタリア語に、親切に英語で答えてくれた駅員さん。確か、「サーティーン」って聞こえたような・・・。今はまだ10時ですぞ。サーティーンって、13ってことよね?。現実を認めたくなくて(笑)、私のヒアリングが悪いんだ!と思い込もうとしたけれど、どうやら事実のようです。これで謎が解けました。今日は、イタリア名物のSciopero(ショーペロ)、ストライキだったんですね。だから、窓口が閉まってたんだ。だから、長蛇の列なんだ。だから、テレビカメラがウロウロしてたんだ。だから、サーティンなんだ。って、もっと早く気づけよ、私!。でも、その前に誰か教えてくれたっていいじゃないねぇ。

とにかく、次の列車まで2時間ほどヒマなので、ボローニャ観光をすることにしました。24時間チケット、役にたったようです。こういう意味でくれたんでしょうかね?。でも、あのフロントのお姉さんがひとこと、今日はショーペロよって言ってくれたら良かったのに。いや、もしや、知っていて当たり前のことで、町中で知らなかったのは私だけだったような気もしていますが。

13時に間に合うように駅へ戻ってきたのはいいのだけど、よくよく運行表を見てみると、今日はインターシティーとユーロスターだけが動いているようです。そうですよね、ストライキをしているんだから、基本的に列車は運休のはず。ということは、仮にリミニまで行ったとしても、そこから他の小さな町にいく列車は動いているんでしょうか。駅員はさっきああ言ったけど、インターシティーが止まらないような小さな駅には行けないのじゃないか?。と、非常に不安になってきたので、目的地を変更することにしました。インターシティーが停車するFerrara、フェッラーラへ行くことにします(ここは、翌日訪れる予定だった)。インターシティの特急料金が必要なので、フェッラーラまでは16,700リラ。高い・・・(涙)。





しかし、問題は、このチケットを手に入れるまで、でした。
とりあえず、仕方がないので、再びあの長蛇の列に並ぶでしょ。30分近くたって、ようやく私の番に。1万リラ札を2枚、機械に入れようとするけど、入らない。???。表示されているイタリア語のメッセージの解読を試みると、どうやら、機械の中にお釣りがないので、細かい札を入れろということらしいです。オーマイガー!。そういえば、前に並んでいた人がやけに早く移動するなぁって思ってたんです。皆、手持ちの紙幣で買うことが出来なくて立ち去っていたみたいですね。仕方がないので、列を離れて両替しにいきます。。駅の売店で両替をしてもらい、これで切符が手に入るぞ!。

1,000リラ札を握り締め、気を取り直してお隣の自動販売機に並びます。さっきの自動販売機より、列が少なかったので、こっちに。やっと順番が近づいてきて・・・、お、前の人がもたもたしてますね。ふふふ、私もイタリア人に、自動販売機の使い方を教えてやれるようになりましたよ。そりゃ、これだけ使えばね。あれ、なにやらエラーメッセージが出てます。ええええ?な・なんですと?。こ・この表示は、小さいお札は使えない、大きいお札(1万リラ、5万リラ、10万リラ)を入れるように、っていうことなんですか?。前の人たち、何度か試した後、舌打と共に去っていきました。

ここまで並んだのに悔しいから、私もお金を入れてみます。しかし、やっぱりさっきのメッセージ・・・。オーマイガー!。私の読み違いかも、勘違いかも知れないけれど、このメッセージはどういうことや!。お釣りがないってのは理解できるけど、1,000リラが使えないってのは・・・。おとなしく最初と同じ自動販売機に並べば良かった・・・。

そして、3度目の正直で、ようやく切符を手に入れることが出来ました。結局、切符1枚買うのに費やした時間は、約1時間半。ボローニャを観光した時間より長いです。フェッラーラには、絶対に1時間半以上いてやる!