Portofino−タイトル
 


イタリアとフランスの国境沿い、リヴィエラ海岸を東から西へ向かった今回の旅、最後の滞在地は、ここ“Portofino ポルトフィーノ”です。
私の中では、このPortofino、今回の旅でのメイン中のメイン、最も訪れたかった町であったのですが、友人に言わせると、「知らなかった・・・」とか。世界中に名前の通った、有名なリゾート地だと思っていたのに。いや、私がPortofinoを知ったのは・・・
確か、Montepulcianoのホームステイ先のおばあちゃんに、「ジェノヴァに行ってみたいの」と言ったところ、「ジェノヴァに行くのなら、近くにあるポルトフィーノがとてもステキだから行っておいで」と言われたから。その後、イタリアで購入した雑誌にも、たまたまポルトフィーノが特集してあって・・・。日本に帰ってきてから、“チャオ、ポルトフィーノ!”という本を発見して・・・。って、なんだ。私が知ったのも偶然なんじゃない(笑)
ま、ポルトフィーノが日本でどれくらい有名なのかという話は置いとくとして、旅の締めくくりに相応しいとってもステキなリゾート地でした。本当は、ポルトフィーノの町に宿泊して、2日くらいぼんやりリゾート気分を満喫したかった、のですが・・・。
船で町へ上陸
ちいさくて、かわいらしい町並み どこを探しても、“超”がいっぱい付くくらいの高級ホテルばかり。私たちの予算では、どんなに背伸びしても苦しくて、泣く泣く諦めることとなりました。
ポルトフィーノまでバスで約30分だという“Santa Margherita Ligure サンタ・マルゲリータ・リーグレ”に泊まることに決定。・・・したのは良かったのだけれど、日本から宿を探すことが出来なくて。S.M.リーグレが、高級リゾート地なのか、単なるリゾート地なのか、7月に安くて空きのあるホテルはあるのか、分からないままに、とりあえず行けば何とかなるでしょ、と出発したのでありました。
幸いなことに、駅から海岸までの間のホテルの部屋を取ることが出来ました。バス、シャワー、朝食付きの、ダブルルームが170,000リラ(約12,000円)、まずまずってところでしょうか。ポルトフィーノじゃとてもじゃないけど、こんな金額では泊まれないし。
S.M.リーグレからポルトフィーノへは、バスが出ていますが、船でも行けるのだとか。そんなの、もちろん船に決まりですよね。港で昼食をとった後、ほんの15分でポルトフィーノへ到着しました。憧れのポルトフィーノ、気分は大女優か何か・・・といきたいのですが、手にはさっき食べきれなかったお昼ご飯の残りが。どうも、ゴージャスな雰囲気には縁のない私たちでした。
フランク・シェイファー著の“チャオ・ポルトフィーノ!”に、『ダイヤモンドをちりばめた、トルコ石のブレスレットね』という言葉が出てきますが、まさにその通り。奥まった入り江で、貝が口を開くと中には真珠ではなく、パステルカラーの町並みが・・・
思っていたより町は小さく、ケバケバしいリゾート地を想像していたのですが、落ち着いた雰囲気の上品な町でした。ただ、地味に見えても、よぉく看板を見てみると、エルメスだったりするのは、やっぱり高級リゾート地。
船を降り、港をぐるりと一周した後、町を探索してみます。探索と言っても、この町にあるのは、山へ向かう3本の道のみ。その道の名もひとつは、『Via Roma ローマ通り』(全ての道はローマに通ず、から?)、あとのふたつは、『Vico Drittoまっすぐな小路』と『Vico Nuovo 新しい小路』。なんだか、ほのぼのしてきますね。
港近くの路地

港からの全景

でっかいクルーザーが・・・ 『まっすぐな小路』を、まっすぐ進み、また港へと戻ってきて、どのカフェでお茶を飲むのが、一番ゴージャスだろうか・・・なんて考えていると、スゴイものが目に入りました。確か、私たちが船でやって来たときには無かったはず。
今までに見たこともないような、ドでかいクルーザー。思わず、町から町への定期船かと思っちゃうくらい。ひやぁースゴイ!持ち主はどんな人??と見つめていると、な・なんと、クルーザーのてっぺんには、ヘリコプターまで付いているじゃないですか。思わず写真撮ってしまいましたもの。でも、しばらく見ていると、みんな写真を撮っていました。時には、ビデオを回す人も。珍しそうに写真を撮っている人は(私も含む)、みんな貧乏人だってことですね(笑)
それにしても、ヨーロッパのお金持ちって、スケールが違いますよね。どんな人が乗り込むのか、非常に興味があったのですが、私たちが町にいる間には、現れませんでした。
丘の上まで登って、港に腰掛けて足をチャプチャプさせて、そろそろ夕食でも・・・と思ったのですが、港に面して並ぶリストランテには、ほとんど客がいないまま。赤やブルーのテーブルクロスが、ぱりっと掛けられているのですが、誰も食事をしている人がいません。誰もいないリストランテで食事をするのも寂しいので、とりあえず食前酒でも飲みながら、夕暮れを待つことにしました。港に面したリストランテは、高そうでとてもじゃないけど入れないため、せめてお酒くらいは・・・と、港の先端にあるBarへ(なぜだか、小学校みたいな椅子でした)。
さて、そろそろ・・・と、リストランテへ向かって、大のショック!!。席はどこも、予約の札でいっぱいでした。いつになったら混み合うんだろう、なんて呑気に考えていたのに。最後の日だし、ポルトフィーノだし、贅沢をしようと企んでいたのに・・・(涙)。路地の奥だと空いているだろう、と聞きにいったのですが、どこも満員とのこと。
夕食前に食前酒を・・・
丘の上の小道 港から離れた、ピッツェリアにようやく席を見つけることが出来ました。タコのサラダと、魚の塩焼き(お店のお姉さんに、身をほぐしてあげようか?と尋ねられ、自分でする、と答えたら『ブラボー』と、お褒めの言葉(?)をいただきました)、バジルのラザニアを注文。
おいしい魚に幸せな気分で、ホテルへ戻るためバス停へ向かうと、バスが10分前に出た直後。30分で着くというのに、何もないバス停で30分も待たされることとなってしまいました。どこかでコーヒーでも・・・と思っても、入れそうな店は、さっきのピッツェリアしかなさそうだし。支払いを済ませたすぐ後に、もう一度訪れるのもなんだかマヌケですしね。
ところで、ポルトフィーノに泊まらずに、ポルトフィーノを訪れる方に、ご注意を。まず、ひとつ目はリストランテの件。いつ予約すればOKなのかは分かりませんが、とにかく予約しないと食べられないです。もうひとつは、帰りのバス。混みます!。うんざりしちゃうくらいの大渋滞。あんまり、ポルトフィーノで遊びすぎてクタクタになっちゃうと、バスで死にますよ(笑)
遊びに行って戻ってくる人たちなのか、ものすごい対向車の数です。おまけに山道で道が細く曲がりくねっていて、キャンピングカーとすれ違うときなんて、間隔はほんの10センチくらい。その上、イタリア人、バイクをいっぱい路上駐車しているから、バスが通れなくって。あまりの進まなさに、最初はかなりイライラしていたのですが、警官と運転手が協力して、バスが通れるようバイクを除け始めた頃には、ほのぼのして来ちゃいました。毎度のことなんだから、先に対策を打っておけよ、ってねぇ。

1999.07


 

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