奥にみえるのが斜塔 ピサにも寄ることができる。これは、私にとって予想外のラッキーな誤算でした。
トスカーナの小さな町、“Montepulciano モンテプルチアーノ”から週末1泊2日の小旅行。第1の目的地“Lucca ルッカ”へ行って、宿泊は“Siena シエナ”。“Pisa ピサ”はルッカとシエナの中間にあり、ルッカからだとバスで30分くらいだとか。これを聞いたら、行かないわけはありません。
斜塔があまりにも有名な町ピサ。あと何百年かたったら、斜塔は倒れちゃうんだって・・・。なんていう話も聞きながら、いつの日か訪れてみたいと思っていた町でした。ピサからバスで約30分。ルッカは、本当にきれいないいところでした。フィレンツェからバスが出ているのでフィレンツェに宿を取ったら、ルッカ〜ピサ、とバスで巡ってみたらいかがでしょうか。十分、日帰り出来ちゃうと思います。
バスに揺られてぼんやり窓の外を眺めていると・・・、ああぁぁっっ!!!見えた!!今、建物の陰にちらりと見えたのは、確かに斜塔。やっぱり、そうだ!!なぁんだ、聞いていたより近いじゃない、得した気分。と、思ったのも束の間、バスは止まる気配を全く見せず、私の斜塔からどんどん、どんどん遠ざかっていきます。ぐるりと回って町の反対側に出て、斜塔の前で降ろしてくれるのね。と、自分に都合の良い早合点をしながら、降りる用意をしていたのに、斜塔は小さくなるばかり。とうとう、見えなくなってしまいました。
バスのチケット
上:ピサ市内バスのチケット 1,300リラ

下:Ingresso Alla Cattedrale入場チケット
  2,000リラ


結局バスを降ろされたのは、鉄道ピサ駅の裏。ここから、市街までは市バスで移動なんですって。だんだん、大きくなっていく斜塔を眺めながら市街へ。さすがは観光地、ものすごい人。もう少しで人酔いしちゃうところでした。
斜塔は、言葉通り本当に、“斜塔”。しっかり傾いていました。近くに行くと、ホントに怖いくらいに傾いているんですよ。どうして倒れないんだろう?でも、いつかは倒れちゃうんでしょ。どうしたら保存できるかを今、皆で考えているところだそうです。昔、私の父親が訪れた頃は、斜塔に登ることが出来たんですって。うらやましい。いつの日かまた登ることが出来るようになるんでしょうか。いえ、別に登ってどうしよう、というのじゃないんですけどね。ただ、あの傾きのまま、通路をぐるっと一周するのは、さぞかし勇気が入るだろうな・・・と。
こんなに傾いています
洗礼堂、ドゥオモ、そして斜塔 “Torre Pendente 斜塔”は、ドゥオーモの付属鐘塔として、1173年に着工されたんですって。今なお傾きつつあり、北側と南側の高さの差は、なんと70cm。上まで登るには、手すりもない(!!)階段を293段(!!)も登らないとならないとか・・・。ひえーー。傾いてなくても、登るのに躊躇しちゃいますね。
斜塔で有名なピサではありますが、お隣(いやいや、斜塔がドゥオーモのお隣なんですけどね)のドゥオーモも圧巻です。1068年から50年もの歳月をかけて建てられたピサ・ロマネスクの最高傑作。ロマネスク様式って、優雅でいいですよね。なんでも、ドゥオーモの扉に彫られている「トカゲ」に触ると結婚が出来、「キリスト」に触ると子どもが授かるんだとか。「トカゲ、トカゲ・・・」と、呪文の様につぶやきながら触りに行ったのだけど、どれだか分からなかったの・・・。残念。そこだけみんなが触るので金ぴかになっているらしいんだけど、見つけられませんでした。これかな?と、思ったトカゲっぽいヤツは、扉の前に立ち入り禁止の柵が置いてあって、手が届かなかったし。うーん、つくづく無念。

1997.07


 

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