バスは10分少々で駅に到着。ここからバーリへと再び戻る予定なのですが・・・。私、今回までにイタリアを何度も旅行しており、かなり旅のコツとやらを掴んでいたと思っていたのですが、今回、初めて会得した技術があります。それは、駅で切符を買うときに、駅員を呼びに行かねばならない、ということ。どういうことかといいますと、切符を買おうとビリエッテリア(切符売り場の窓口)へ行くと、中は無人。だいたいそんな小さな駅には、電車も1時間に1本くらいしかやって来ないので、その時間が近づくと、窓口が開くんだろうな・・・と、ベンチに腰掛けて駅員が来るのを待っていたものでした。現地の人らしき人も待っているし・・・。で、確かにそのとおり、しばらくすると駅員が窓口にやって来て切符を売ってくれるのですが、この時は電車の到着時間も迫っているのに窓口は開かない。私の前に待っているイタリア人もいらいらしだした様子。すると、誰かが駅員を呼びに行きました。で、無事に窓口が開いて、みんな切符を買うことができて・・・。なるほど、今までも誰かが呼びに行っていたのか。気づかなかったよ。

と、学習したので、私はオストゥーニ駅で試してみました。窓口を覗き込んでも人影が見えないので、そのままホームへ行き、固まってホームに立っている駅員に(立ち話をしているのなら、ひとりくらい部屋の中に座ってろよ)、「切符が欲しいんだけど・・・」。窓口へと戻る途中、イタリア人の女性に「窓口、開けるって?」と尋ねられました。やはり、この地域は、頼みに行かないと切符が買えないんだ。

私たちが、こんなにあわただしくオストゥーニの町を後にしたのは、16:41発の普通電車に乗ってバーリへ戻りたかったから。その次は、1時間半後まで普通電車はありません。17:41にユーロスターが来るけれど、あの金額の差を考えたらね・・・。もうそろそろ到着時間と、待合室からホームに出て待ちます。今回、プーリア州内で電車に何回か乗った経験上、20分くらい遅れでやって来るかな・・・というのが私の予想。うん、20分遅れくらいで来てくれたら嬉しいな。

すると、アナウンスがありました。『10分遅れ』と、聞こえたような・・・。1対1の会話は随分と上達しましたが、いつになってもアナウンス放送やテレビニュースのヒアリングには慣れることが出来ません。ま、何かあった場合は、周りの人に尋ねればいいからね。まったく問題はありません。
しばらくすると、先ほど、窓口で声をかけてきた女性が近づいてきて、「アナウンスは何と言っていた?何分遅れるって?」と。私に聞くなよ。分かりません、そんなこと・・・。私の方が質問をしようと思ってたのに、何故、私に尋ねる?。
現地人で、言葉が分かるくせに何故、アナウンスを聞かない?。友人たちとのお喋りに夢中で、アナウンスを聞いていなかったようです。多分、「10分」と言ったように思うけど、確かじゃないわ。と答えておきました。さて、やはり、その情報は確かではなかった様子で、10分経過しても電車が来る気配はまったくありません。私は20分は固いと最初から思っていたので、気にせずそのまま待ち続けます。さすがに30分を経過したころには、みんなもイライラし始めた様子。駅員をつかまえて質問をしていました。彼らの声が、私の耳にも届きます。『ピッコロ・プロブレンマ』ちっちゃなトラブルのせいで遅れているようです。ふぅん、ピッコロ・プロブレンマねぇ・・・。しばらくすると、再度アナウンスが。私たちの乗りたい電車は、40分遅れで到着するとのこと。あ、じゃぁ、もうすぐじゃん。と喜んだものの、あれ、定刻より40分遅れなのか、今この時間から40分後にやって来るのか・・・。私、そこまでヒアリングできませんでした。ま、あと5分でやって来ようが、40分待たされようが、ここで待っているしか私たちには出来ないので、どうだっていいんですけれど。

で、結局、電車は18:10分にやって来ました。ふーう、1時間半の遅れね。ちっちゃなプロブレンマで助かった。



2005.05