いつもの通学路 1時間半の授業が終わると、結構お腹が空いちゃっていたりします(ちなみに、ホームステイは朝晩2食付き。朝食は、エスプレッソマシーンで入れてもらったカフェラッテとビスコッティ)。学校のすぐそばにあるバール(喫茶店みたいなもの。簡単な食事も食べられます。お金のないな私たちにとっては昼食の大きな味方)に行くと、うちの学校の先生と生徒でいっぱい。というか先生と生徒しかいないんだけどね。もちろん、この町にいる日本人も集まってきてるんで、イタリア語の練習をしなくちゃ・・・と思いつつも、つい日本語でおしゃべり。家に戻ってもイタリア語なのでこの時間は結構いい息抜き(!?)になっていました。

この町は田舎だからか、食べ物にしても何にしてもとにかく安い!のです。バールでカプチーノを飲んで1800リラ。日本円で150円もしません。日本と比べて安いのは当たり前だとしても、ローマと比べてもお安いのじゃないかな。リストランテやトラットリア(レストラン。トラットリアはやや庶民的なお店)で食事をしても安いんですよ。私は、朝晩2食付きのホームステイだったので、数回、昼食をリストランテで取った程度でしたが。
2週間の滞在のうち、最初の1週間はモザイクのコースを受講していました。モザイクのコースがある。これがこの学校に来ようと思った理由のひとつでもあります。せっかくイタリアにまで来るのだから、語学以外にも何か習いたかったのです。このモザイクコースはありがたいことに、イタリア語ができなくてもOK。これぞ私のためにあるようなもの!?
本来なら、1日2時間、2週間の授業なのですが先生の都合で、1日4時間、1週間で終わり、ということになりました。残りの1週間は午後からまるまるフリーになったので、それはそれでよかったのですが、1日に4時間もひたすらガラスを砕くのはさすがに辛かった・・・。修行僧にでもなった気分でした。
授業は学校の教室で行われて、最初はモザイクの歴史etcの講義。そして、いよいよ緊張の作品づくり。などというものを想像していたのですが、私の予想は見事に裏切られました。授業初日、セレクタリアに呼ばれ、「15:00にここで待っててね。先生が車で迎えに来るから」と、私がいつも持ち歩いている地図の町のはずれに丸印をつけてくれました。??????「ファルマチーア(薬局)の前で」、と私の耳には聞こえたような気がしますが、私のイタリア語の会話力には、さっぱり保証がありません。ファルマチーアでどうやって授業をするのだろう・・・・?。やっぱり、聞き間違い?。でも、仕方がないので、とりあえず行ってみよう〜っと。
午後はお散歩を・・・
作成風景!
作成風景!
右が私の
右が私の
ファルマチーアへ到着すると、日本人のMomoさんが立っていました。どうやら生徒は私たち2人だけみたいです。でも、よかった。日本語とイタリア語が話せるMomoさんが一緒で。心強いったらありゃしない。待つことしばし、「ボンジョルノ〜」と、車がやって来ました。ちょっぴり気難しそうな、いかにも職人さんって風貌のシニョール・ジーノ。車で10分ほどの彼の自宅へ。どうやらここで授業開始のようです。部屋に通され、数点彼の作品を見せてもらった後、いきなり私たちも作品を作ることに。えっ!?そんな、いきなり???。モザイクの歴史は?。説明はないの?。まぁ、説明してもらっても、イタリア語だから私には理解できないでしょうが。

丸太の大の上にノミ(?)のようなものが固定されていて、その歯の上に、2cm角くらいのガラスをのせて、金槌で、「カツンッ!」とすると、自分の望んだ形に・・・割れないんです。難しいんですよ。とっても。私は、真半分に割りたいのに、カツンってやると、見事に砕け散る。気が付くと、粉々。ひえ〜!!!。
練習だぁ。ってシニョール・ジーノは言うけど、こんなの初心者には無理だって。ホントに、作品になるんでしょうか。精神統一をして(こうでもしないと、真っ直ぐに割れないんですぅ)、無心に金槌を振り下ろす。慣れてくると楽しいじゃないですか。だんだん、思うような形に割ることが出来るようになってきたし。でも、こうやって調子に乗ると、砕け散っちゃうんですよね。無心、無心。

開けっ放しのドアからは、心地よいトスカーナの風が。奥さんのシニョーラ・アンナが付けていった、ラジオからはイタリア語の賛美歌。のどかな昼下がりでした。そんなこんなで4日程かけて出来あがった、かわいい我が子。ミケランジェロより、ダヴィンチのどんな作品よりも愛しい我が子。とは言い過ぎですけど。出来の悪い子ほど、かわいいと言うじゃないですか。


 

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