Parazzo Ducale ドゥカーレ宮殿
今回の旅の目的は、プーリア州へバロックを見に行くこと。というわけで、ここMartina Franca(マルティーナ・フランカ)へとやって来ました。プーリア州の州都であり、この辺りでは一番大きな町バーリより、私鉄Sud−est線で1時間40分ほどの距離です。

世界遺産でもあるトゥルッリが有名なアルベロベッロから2つ先の駅がマルティーナ・フランカです。私たちは、トゥルッリに宿泊したので、アルベロベッロからマルティーナ・フランカへと向かいました。マルティーナ・フランカの駅から町までは1キロほど。バス停が見当たらなかったので徒歩で向かいます。私の持っているガイドブックの町の地図には、駅の場所が載っておらず、駅前にいたおじさんにチェントロ(中心街)への行き方を尋ねます。駅舎を出て、右側へ。この道は左側にカーブしているので、道沿いにずっと歩き、角を左に曲がる。で、もう1回、左に曲がる。って言ったのかな?。ま、とにかく、出発です。

教えてもらったとおり、「センプレ・シニストラ(ずっと、左)」と呟きながら歩くこと15分と少々。そろそろ町に到着してもよい頃のような・・・。やっぱり、迷ったか・・・。しばらくうろうろしていると、割に大きな広場に辿りつきました。やったぞ!この広場は、私の持っている地図に載っていました。というわけで、ようやくマルティーナ・フランカの町へ到着いたしました。

私たちが辿りついたところは、サン・ステーファノ門でした。門をくぐるとすぐ目の前がドゥカーレ宮殿です。今は、市役所になっているのだとか。このドゥカーレ宮殿の中にツーリストインフォメーションがあるので、地図をもらおうと立ち寄ったのだけれど、ドアに鍵がかかってる。午後は休館なんでしょうかね?。このドゥカーレ宮殿から西へ伸びる道が、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りです。ここがメインストリートなのですが、メインの割りにこの狭さ(笑)。両側にはお店が軒を連ねています。のどが渇いたな・・・と思いながら歩いていると、甘〜い匂いが。クレープ屋さんです。匂いにつられて、そのままふらふらと・・・。腹ごしらえを済ませたところで探索再開です。

ヴィットリオ・エマヌエーレ通りの終点は、それほど大きくない広場でした。ここに建っているのは、サン・マルティーノ教会です。18世紀後半に建てられたというこの教会。なんといっても圧巻は、ファサードの彫刻です。サン・マルティーノ教会というくらいだから、この人が聖マルティーノなのか?馬にまたがる男性の彫刻。私、しばらくポカンと上を向いたまま口を開いてその場に立ち尽くしてしまいましたもの。柱などの彫刻は、あっさりとシンプルな感じなのに、正面入り口の上にある彫刻ときたら・・・。

Corso Vittorio Emanuere
ヴィットリオ・エマヌエーレ通り

San Martino サン・マルティーノ教会
さて、サン・マルティーノを後にし、プリンチペ・ウンベルト通りへと向かいます。「100mほどの短い通りの中に、バロック建築が立ち並ぶ」。と書いてあるので、非常に楽しみです。

バロックとは、17世紀から18世紀に用いられた様式です。建築に限っていうと、バロックの前のルネッサンスがあっさりとした端整で控えめな様式なのに対して、バロックは、ひとことで言うととにかく華麗。豪華。ゴージャス!。ルネッサンスの香りは残っているのだけれど、どうしてこんなに飾り立てちゃったんだぃ?と言いたくなるような・・・。『装飾過多』と言われても仕方がない・・・。『過多』の度が過ぎると、単なる悪趣味ですものねぇ。

ま、ともかく、『バロック=豪華』というだけの知識を持って、プーリア州にやって来た私たちだったのです。確かに、見るもの、見るものすべてがゴージャスです。教会の内部はもちろんのこと、ファサードを飾る柱頭の飾りや、バルコニーの手すりの細工。教会やドゥカーレ宮殿は当然としても、普通のおうちもバロックの香りがたっぷりです。要するに、お金持ちだった、ってことなんですかねぇ・・・?。

で、私たちがバロックを気に入った理由がもうひとつ。これはバロック様式の特徴なのか、この地方特有のものなのかは、分からないのですが・・・。なんかね、柱や窓の飾りの彫刻がかわいいんです。どこか、コミカルな風貌の、人物や動物のモチーフたち。私たちはすっかり気に入っちゃって、『おとぼけさん』と名付け、奴らを探しながら街を探索していました。ここ、プリンチペ・ウンベルト通りも、『おとぼけさん』大集合です。
サン・マルティーノ教会のファサード