圧巻のファサード
ルッカのDuomo
さぁて、いよいよルッカです。
中世のままの町を、ぐるりと取り囲む赤煉瓦の城壁。城壁の上は緑の並木道。人通りも少ないし、違う世紀に迷い込んだ様!?
残念なことに、私が到着したのはちょうどお昼時。バスの時間の関係上、お店が開く時間までルッカにいることができませんでした。オリーブオイルが特産品らしいので、ぜひ1本と・・・企んでいたのに残念。ウインドゥショッピングだけで我慢です。
まず、城壁の上の並木道をひとまわり。おなかも空いてきたので、お昼に食べなさいとホームステイ先のおばあちゃんが持たせてくれた、夕べの残りのピッツァ(生地から焼いてくれたホンモノです)を木漏れ日の下ベンチに腰掛けて・・・あぁ幸せ。観光客もほとんどいないし。町の人もほとんど見かけないような・・・。皆さん食事中なんでしょうね。
本当にきれいなところ。頑張って来てよかった。このままベンチに座ってぼんや〜りしていたいところなんだけど、バスの時間まで2時間とちょっと。今日はシエナに泊まる予定なのです。ルッカからシエナへの通り道にピサがあり、ルッカからだと30分くらい、と聞いて、ルッカ〜ピサ〜シエナという計画を立ててしまった欲張りな私には、あまり時間が残されていません。
重い腰を上げ、町の中心にあるドゥオモへ向かうことにしました。ちゃんとした町の地図を持っていなかったので、こっちのほうかなぁ・・・と適当に町をフラフラしながらドゥオモを目指します。
どの路地を曲がっても素敵な町。右に曲がっても左に曲がってもわくわくしてしまいます。私の滞在している町、モンテプルチアーノとはまた違った町並み。ルッカは、モンテプルチアーノと違い坂がないからでしょうか。レストランは大盛況。町の人を見かけないと思ったら、こんな所にいたのね。町中の人がレストランで食事をしているのかと思うほどの人、ひと、ひと。私も時間があったら広場に面したテーブルに座って、キャンドルを前にパスタでも食べるのに・・・。
Duomo
Duomo
一度、こんなところで観てみたい! やっぱり、イタリア旅行にあくせくは禁物です。のんびり、ゆったりしなきゃね。時間刻みで動いていると、大事なものを見忘れてしまいます。で、でも、欲張りな、貧乏性な私は、ここまで来たらピサにも行きたい〜!!!。今度はいつ来られるか分からないんだし。シエナが私を呼んでいるわぁ〜。
お店も閉まっているし、することといえばお散歩。路地散策です。こんな素敵な町なんだから、店が開いていたとしても、買い物をして時間を潰す、なんてことはしたくないですけどね。
気の向くままぷらぷらしていたら、映画館を発見!!。“館”とはいいませんか?初めて見ました。よく、映画に出てくる映画館です。ローマの休日にも出てきたはず。広場にいすを並べてスクリーンを吊して。わぁ、いいなぁ。こんなところで映画が見てみたい。要するにこの町には映画館がないんですね。夏の間は、こんな青空映画館(!?)が出現するんでしょう。
いいなぁ。のどかだなぁ。夜になるとどんな人たちがやって来るのでしょうか。子供を連れたちょっぴり太めのお母さん。ワインも入っていい感じのおじさんたち。
映画『ニューシネマ・パラダイス』や『イル・ポスティーノ』を思い浮かべていると、スクリーンの横に不思議なものを発見。非常口のマークでした。 非常口はこっち、と矢印で示されても、ここは外。3方をコの字型に建物に囲まれた広場だから、確かに非常口はそこしかないけど・・・。暗くなったら分からないかもしれないけど・・・。なんだか、奇妙な感じでした。
のらりくらりと歩いているうちに、バスの時間まであと30分もない!!。まだ、ドゥオモまで辿り着いてないというのに。このままのペースではドゥオモに着かない、と通りすがりの人に道を尋ねることに。たどたどしくイタリア語で尋ねると、「イタリア語と英語とどっちで言った方がいい?」と聞かれ、思わず「イングリッシュ」。あぁ、これじゃあ何のためにイタリアまでやってきたのか分からない。何の勉強にもならないって。
親切なシニョーラは、イングリッシュねと、英語が得意じゃないらしく、ものすごーく悩みながら英語で教えてくれました。ごめんなさいね。親切にありがとう。こんなことならイタリア語で教えてもらえばよかった。道順の表現の仕方は先週の授業で習ったところだから、だいたいは理解できたのに。とにかく時間がないので、ワープして(!?いや、ただ私の方向感覚が悪いだけの話です)最短距離で町の中心へゴー。
こ・この物体は??
非常口は左です
町角にて ドゥオモは圧巻でした。この小さな町のどこにこんな大きな広場があったんだろうと、びっくりしちゃうような大きな広場に美しいドゥオモ。私って、ホントに今まで町の隅っこでフラフラしてたんだね。これでも、町を全然回りきってないのに。やっぱり、半日もいられないのはもったいない。やっと辿り着いたというのに、さぁっと見ただけで走らないとバスに間に合わない時間。このままここに泊まっちゃおうかなぁ。そうしたら映画も見られるし・・・。という気持ちを押さえつつバス停に向かいます。
だって、今日を逃したらシエナに行くことができなくなってしまうんですもの。トスカーナはこんなに広くて魅力的なのに、2週間の滞在というのは短すぎる。授業があるので、自由な日は週末の2日きりだし。その貴重な2日を満喫すべく、ルッカに後ろ髪を引かれながらバスに乗り込みました。
バイバイ。また来るからね。

1997.07


 

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