ついに、ついに、ついに憧れだった町、Lecce(レッチェ)を訪問することができました。私が初めて南イタリアを訪れたのは1995年のこと。それに際し、「南イタリアのバロック建築−シチリア・バロックとレッチェ・バロックの魅力−」というタイトルの建築雑誌を購入したのでした。その時、初めてレッチェという町の存在を知ったわけです。1995年2月発行のこの雑誌、写真は綺麗ですし、説明も深いし、今では手に入らない私の宝物です。

私の目を釘付けにしたのは、レッチェのサン・クローチェ教会だったのですが、残念ながら95年の旅では、レッチェを訪問する時間がなく、アルベロベッロ、シチリア島を回るだけに終わったのでした。そして、2005年、10年を経て、ようやく再び南イタリアを訪問することが出来たのです。

長靴の形をしたイタリア半島のちょうど踵の部分にあるのがプーリア州。このプーリア州第3の都市がレッチェです。プーリア州の州都バーリから南へ電車で約1時間40分。ここまで来ると、踵の先っぽに来た〜!という気持ちになります。

まずは、荷物を置きに宿へ向かいます。今回、私たちは、町のほぼ真ん中にあるB&Bに2泊する予定。到着すると、宿のご主人が地図をくれ、簡単な町の説明をしてくれました。駅から町の中に入るまでは、比較的開けた、ブランドショップなどもある新市街でした。町の中心は、サン・オロンツォ広場(Piazza S.Oronzo)というところ、オススメの美味しいレストランも教えてもらいました。嬉しいなぁ、行ってみようっと。
とにかく、町中全てがバロック。文字通り“バロックの町レッチェ”です。とりあえず、例の雑誌に載っている建物は全て見に行こうと、もらった地図を片手に探索に出発です。まずは、サン・マテオ教会へ。う〜ん、バロックです。ファサードの緩やかな曲線がとても美しい。次の目的地を目指して歩いていると、大勢の人が入っていく建物がありました。近づいてみると、Teatro Romano(テアトロ・ロマーノ)、ローマ劇場ですね。2.6ユーロの入場料を払って、中へ入ります。やや小ぶりではありますが、綺麗に保存された円形劇場を見ることが出来ます。併設のMuseo(博物館)では、様々な発掘品が展示されています。ここは入場料が必要ですが、サン・オロンツォ広場横には、ローマ時代の円形闘技場も残っています。

サンタ・キアーラ教会(ジュゼッペ・チーノ設計、1694〜18世紀前半)、12世紀に建てられ、1659年〜ジュゼッペ・ツィンバーロによってバロックに改修されたドゥオモ、ジュヴァンニ・デ・ロシス設計のジェスー(イエス)教会と順番に回ります。

サン・マテオ教会

サンタ・キアーラ教会

ドゥオモ

ジェスー教会

それほど大きな町ではないのですが、見ごたえのある教会が多すぎです。そしてその他の建物(普通の住宅に見えます)も、さりげなくバロック。本当に、右を見ても左を見ても、バロック!バロック!バロックのオンパレード。あぁ、来て良かった、満足です。さて、満を持して、10年間の私の憧れ、サンタ・クローチェ教会へと向かいます。

この角を曲がれば、サンタ・クローチェ教会という路地で写した写真なんですが、い・いいんですか?こ・こんなんで・・・。私の憧れの教会、案内板が黒板なんですけど・・・。しかも、ちゃんとチョークで書いてあるし。下のほう、消え掛かってるんですけど・・・。