Ferrara−タイトル
 


Castello Estense エステンセ城
Castello Estense エステンセ城
Bolognaボローニャから、Veneziaヴェネツィアへ向かう列車に乗り約30分。Ferraraフェッラーラは、北イタリアのルネッサンス文化の中心地でした。その理由は13世紀から16世紀の間、フェラーラ公国を治めたエステ家によるもの。イザベッラ・デステの生まれた家であります。また、時のローマ法王を父に、イタリア統一の野望を持つチェーザレ・ボルジアを兄に持つ、ルクレツィア・ボルジアが嫁いだのも、このエステ家です。ルネッサンス好きの私にとっては、フェッラーラはぜがにひでも訪れたい町のひとつでした。

別の町に行く予定で、朝、ボローニャのホテルを出発。駅に着いたところで、その日はショーペロ(ストライキ)であることが発覚。急遽、ストライキ中でも列車の走っていたフェッラーラ行きへと予定を変更します。行く予定だった町は、私のガイドブックに載っていなかったので、必要ないとこの日は、ガイドブックをホテルの部屋に置いたまま。フェッラーラに行くのなら、ちゃんとガイドブックを読んで、予習してから行きたかったのに・・・。
しかし、塩野七生氏の著作をすべて読んで、思い入れは強い町。そんなに大きな町じゃないだろうし、今からガイドブックを取りに戻るのも(だいたい、4ページしか割かれていないし・・・)。ま、行ってからパンフレットでも手に入れればなんとかなるでしょう。と、30分間の車中で一生懸命、フェッラーラで何を見るべきかを思い出しながら・・・。
その日は、ショーペロ(ストライキ)の影響で、インターシティ、ユーロシティの特急列車しか走っておらず、たった30分の乗車にはもったいないほどの快適な車内。真新しいし、冷房は効いているし。思わず、ヴェネツィアまで行ってしまおうかと思ったくらい!?(笑)。でも、特急なので料金は少々お高く、16,700リラ(約1,100円)。

到着後、まず駅のインフォメーションで町の地図を入手。詳細な地図と、町の観光名所の写真、説明などが書いてあって、これで一安心。2番のバスに乗ってチェントロ(町の中心地)へ向かいます。しかし、一安心とは言っても、各国語で説明がしてあるのですが(イタリア語、英語、ドイツ語、あとの2つはフランス語とスペイン語かな?)、イタリア語を読んでも英語を読んでも、理解できるのはおぼろげ・・・(涙)。

まずは、町の一番の中心である『Castello Estense エステンセ城』へ向かいます。小さいながらも周囲に掘が巡らされたどっしりとしたいい雰囲気の美しいお城です。正面に回って、思い出しました!サヴォナローラだ!。
Castello Estense エステンセ城
Castello Estense エステンセ城
エステンセ城は夢の様!
Castello Estense エステンセ城内
ここフェッラーラは、ルネッサンス時代の怪僧サヴォナローラの出身地でもあったのです。修道服をまとい、説教をしているのでしょうか、1枚目の写真の左側に写っている像がサヴォナローラです。私が着いた日は、あいにくの曇天だったので、像の真下に立って像を見上げると、ちょっと、怖かった・・・。

さてさて、エステンセ城の内部は、『Museo 美術館』として公開されています。入場8,000リラ(約500円・99年)。お城へは、水が湛えられた掘に架かる跳ね橋を渡って入ります。未だにこの演出。中世にタイムスリップしたようです。あまりに気持ちが良かったので、しばらく跳ね橋のふもとで、掘を眺めながら、中世に思いをはせてしまいました。さてさて、内部はといえば、思わず溜め息が漏れるほど・・・。公開されているのは、お城の僅かな部分ではありましたが、天井に壁に施された見事なフレスコがの数々。さすがは、代々、若い芸術家達のパトロンのような役目をしてきたエステ家。この装飾がなされたのは、どの時期なのかは分かりませんが(部屋のイタリア語の説明書きが読めれば分かる事なんですが)、素晴らしいのひとこと。
しかし、ここはお城。かつては、牢獄なんてのもあって、イザベッラ・デステの2人の弟、ジュリオとイッポリートの恋の悲劇の話があったなぁ、などと思い出しながら城内をうろうろ。一人の女性を巡る兄弟同士の争いで、ジュリオは56年間も城の片隅に幽閉されて過ごすことになったのです。そんなことを考えながら歩いていると、階段を発見。上がれそうな感じだったので、とりあえず上がってみましょう。

あきらかに美術館の外へは出ているし??扉を押してみると開いたので、入ってみると、なんだかオフィスのようで、今までとは違う雰囲気。不思議な気持ちのまま、とりあえず、帰って来ました。後でガイドブックを見て納得。現在、エステンセ城は市役所として使われているんですって。入って、怒られるようなところじゃなくてよかった(笑)。それにしても、あんな市役所いいですよね。


    Castello Estense もっと
Palazzo dei Diamanti ディアマンティ宮殿
Palazzo dei Diamanti ディアマンティ宮殿
歩きつかれたら、やっぱりこれ?(笑) 城を後にし、『Palazzo dei Diamanti ディアマンティ宮殿』へ。ファサードが四角錐にカットされた大理石で造られており、太陽が当たるとキラキラとダイヤモンドのように光るので、この名前がついたのだとか。本当に、ものすごいファサードでした。なんでも大理石の数は1万2千個だとか!。残念ながら私が訪れた時は曇り空で、ダイアモンドの輝きは見られませんでしたが、晴天ならさぞかし綺麗なんでしょうね。
その後は、フェッラーラへ到着した時は閉まっていたドゥオーモが、夕方になり開いたので中を見学。

他にもたくさん見所はあるのですが、今日は何しろショーペロ(ストライキ)のせいで、午前中いっぱいを無駄に(?)使っっちゃって。まだまだ、後ろ髪を引かれる思いではありますが、そろそろボローニャへと戻ることにしましょう。あ、その前に、甘いものでも食べてから・・・。

1999.07


 

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