車体を組み立てよう

ライトは2個と、少し贅沢をしてみました。「一つ目」にしたい方は、妻板上部かボンネット上などに、パイプなどでライトケースを作って取り付けるとサマになります。
写真は、切り抜かれたエンドに、「さかつう」製品のライトリム(ヘッドライトの反射板)と、カプラーポケット(連結器取り付け座)を、正しい位置に穴があいているかどうか、試しにはめ込んでいるところです。
円形の穴は、いっぺんに切り抜こうとすると、メクレがひどくなりますから、最初は多角形の形に大まかに切り抜き、仕上げは小さい丸ヤスリで行うとよいでしょう。ライトリムがはめ込まれるのですから、窓ほど仕上りに神経質にならなくともよいのですが、2つのライトの高さが合わないと
格好が悪くなります。リムを試しにはめてみて、ズレがあるようなら穴をヤスリで微調整します。
カプラーポケットも同様、傾いたり、中心線からズレていないか確かめましょう。どちらのパーツも、接着・固定するのは、車体が組みあがり、塗装直前になってからです。
「力のかかるエンドが、紙一枚で大丈夫かな?」と不安になる方もおられるでしょうが、裏に平角材を貼り、ポケットをエポキシ系接着剤でしっかり接着するので、2〜3輌の2軸貨車を牽引するには、充分過ぎる強度があります。
内張貼りつけ、仕上げが終わった側板・妻板です。
あ、扉の窓が少しズレてる……塗装しちゃえばわかんないや。(…と、このくらい気軽?に進めましょう。)
側板裏側の縁に、補強および接着面積をかせぐための、2×2(2ミリ角)角材を貼ってゆきます。ボンネット角のところの継ぎ目は角度をつけるなど、なるべくすきまの無いように切断してから、縁とツライチになるよう、注意して貼りましょう。
縁と角材をきれいにツライチにするには、直角の出ている大きめの角材(直角治具があればなお良い)を定規として、側板の縁を押しつけておき、次に糊のついた角材を側板の貼りたい位置に置いて、同じく定規にした角材に押しつけるとよいでしょう。(2つ下の写真参照)
角材をほとんど貼り終わったところです。側板は先ほど記したとおり2×2、エンドは上が2×2、下が5×3、妻板は上が5×3、下が2×2です。
妻板・エンドに貼る角材の両端は、側板の角材を逃げるため、縁から3ミリ空けておきます。
妻板の、屋根の曲線側は、まずナイフで大まかに削ってから、金工用平ヤスリで、妻の曲線に合わせて仕上げます。写真右下の裏側を見せた妻板は、角材を大まかに削った段階です。
いよいよ車体を組み立ててゆきます。写真のように直角治具を使って、垂直・直角に注意しつつ貼り合わせましょう。接着した面はよく指の腹でしごいて、スキマがないか確認します。正しく切り出されていれば、ゆがみなく組み立てられるはずですが…あ、やっぱり少しゆがんだ!。後で修正してゴマカスか…。(とまあこのくらい気軽に気楽に…)
なお、接着剤は、角材の接着面だけでなく、紙の断面にも回るように塗りましょう。余った紙や楊枝を削って作ったヘラで、薄く塗りのばすのです。はみ出た接着剤は、速やかにヘラでこそげ取った後、僅かに湿らせたティッシュや布で拭い取ります。
ここまで組み上がれば、もうこっちのモノです!増長してみましょう。
冗談はさておき、ボンネットは、図面のところでも記したように、前後方向を少し長めに切り、エンドを取りつけてからヤスリで短くします。
上の説明で、「接着剤を紙の断面にも回るように塗る」と書いたのは、このエンドとボンネットの角のように、ヤスリ修正するとき、めくれたり、スキマができたりしないようにするためのものです。
エンドを取りつけて、丸めたサンドペーパーを軽くかけてみた状態です。だいぶ形になってきました。お疲れさまです。
屋根をまだ取りつけていないので、なにげなく内側を見ると、妻板と側板の角材同士の間にかなりのスキマが…
リラックスして作っていたら、寸法を短く取り過ぎたようです。(と、このくらいお気楽極楽に…)木工ボンドが乾いてから、スキマにエポキシ系接着剤を充填しなければ。
切り出した屋根です。ボンネットと同様、幅方向にわずかに長めに寸法を取っておき、車体に接着してから両端を修正します。
幅方向には、鉛筆で、取りつけるパンタグラフの穴の間隔、および中心線を鉛筆であらかじめ引いておくと、後が楽です。屋根の取り付けを終わってから、デバイダーやノギスで前後方向の中心を求め、そこを基準にしてパンタ取りつけ穴の位置を決めます。
まあ、そこまで厳密にやらなくても…という向きは、現物を直接屋根に当てて、鉛筆で穴をなぞるなど、心意気で位置決めするのもステキです。(もう好きなだけ気軽に気楽に…)
屋根はあらかじめ、ビンなど丸いものに押しつけて、曲げグセをつけてから接着した方が良いのですが、紙の目の方向を間違えると、シワが寄ってしまいますから、お気をつけて…。写真のように、いらないボール紙を1枚、上にかぶせてからビンに巻きつけると、均等にクセがつきます。ちなみに、紙の「もどり」を考えて、屋根のRより半径の小さいビンでクセをつけた方がうまくゆきます。
ここまで出来たら、全ての角にヤスリがけをし、継ぎ目を目立たないようにします。
どうしても多少はケバ立ちますので、荒いサンドペーパーか金工ヤスリをかけた後、細かいサンドペーパーで数回撫でるようにし、最後に指の腹で軽くしごいてやるとだいぶ収まります。
金工ヤスリをかける場合は、ヤスリの自重+α程度の圧力を掛けるように心がけ、他の辺をヤスッてしまわないように注意して下さい。
ケバ立ちの中に、長めの繊維がある場合は、小さめのよく切れるハサミ(『鼻毛切り』が最適!)で、丹念に切ってやると良いでしょう。
カプラーポケットを加工しましょう。このポケットは裏側が上下でツライチでなく、エンドに接着する際困りますから、スペーサーとして、下部にボール紙を2枚重ねて貼り、接着面積をかせぎます。
図のように帯を作っておき、長いまま貼り付け、しっかりと接着してから切り取るとやりやすいでしょう。ここは力のかかるところですので、エポキシ系接着剤を使用して下さい。
ボール紙を貼りつけたら、Φ1のドリルで、カプラーの取りつけピンを通す穴を開けます。
狭いところに開けるので、デバイダーなどで中心を取り、ケガキ針の先などでポンチマークをつけて、ドリルの先が滑らないように準備します。
写真のようにバイスにポケットを固定し、垂直に穴が空くよう慎重に…。
なお写真では、バイスに直接ポケットを挟むというガサツなことをしていますが、ホントは当て木をするなどしないと、ポケットの素材が軟質のため、表面がつぶれてしまいます。
カプラーの選定はご自由ですが、今回は北米式ナックルカプラーの固定自連を選んでみました。
首を振る中心が手前にありますので、短く切断してからΦ1の穴を開けます。
ポケット同様、素材がホワイトメタルで軟らかいですから、ニッパーで切断した後ヤスリをかけ、穴を開ける程度の工作ですぐ完成です。
カプラーを試しにポケットに取りつけてみて、長さは丁度良いか、首をうまく振るか確認しましょう。
カプラーの回転中心となるピンは、Φ1の鉄線か真鍮線の先端を、ちょっと曲げたもので充分です。
今回はたまたま手元に小さい釘があったので、丁度良い長さに切ってから使いました。他のカプラーに交換できるよう、ピンは特に固定せず、穴に落とし込んであるだけです。


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