Love Kihei

− 無敵のオールインワン −

 

とゆうわけで、大方の予想通り新iMac(iMac DV)が発表になりましたね。まあ詳しい情報はマッキントッシュ&アップル関係のサイトをご覧頂くとして。わたくしの感想としては『やっぱり銅配線G3は偉大!』ということに尽きます。もうすぐ発売になるiBookもそうなのですが、新iMacも冷却ファンがないんですよね。これには発熱量の少ない銅配線G3プロセサを採用していることが大きく影響してるんです。

まず、初代iMacは発熱量の多いアルミ配線G3プロセサを採用していたため、冷却ファンの騒音が大きく耳障りだと言われていました。それが前モデルのiMac/333MHzから銅配線のG3プロセサが採用されるようになり、CPU自身の発熱が低下したことによってファンの騒音もかなり低下したのです。さらに今回の新iMacでは筐体上部に排熱用の通気穴を設けることで空気の自然対流による冷却を実現し、他の部品も発熱量の少ないものを用いることによって冷却用のファンそのものが不要になりました。

冷却ファンのないデスクトップマシンは、AppleではMacPlus以来なんです。また、消費電力の大きなintel系CPUを搭載した現在のAT互換機では、ファンなしマシンを作るのはかなり難しいんですよね。そもそも初代Macintoshに冷却ファン搭載を許さなかったのはSteve Jobs本人でして、新iMacについても『何が気に入ってるって、このマシンは冷却ファンがないからすごく静かなのさ』とご満悦の様子。ハードディスク停止時の動作音が14dBだというからすごい。オフィスなら暗騒音レベル以下だし、静かな環境でもほとんど気にならないはずです。それから、やはり弱点と言われたスピーカーの音質も格段に向上してるようですね。せっかくマシンが静かになったのだから、スピーカーにもこだわったわけだ。うーむ、ますますすごい(笑)。

はっきり言って、ワシはいままでiMacなんて絶対買わないと思ってたのね。というか現在使用中のPowerMac7600/200から乗り換える積極的な理由が見つからなかったんです。でも、今度のマシンだったら買ってもいいかなー。今やワシにとってのMacintoshって、MIDIデータ制作が最も重要かつ唯一の用途になりつつあるんですよ。パソ通とかインターネットとか、他のことはWindowsマシンでもできることなんだけど、MIDIデータ制作にはMacにしか存在しないソフトを使うのでMACでなくてはならないんです。ところがMIDIデータ制作=音楽制作なので、マシンの音がうるさいのは致命的なんですね。そういうわけで、できるだけ静粛性に優れたマシンを切望するワシとしては、今度のiMacやiBookは素直な気持ちとして『欲しい!』と思います。あと、どちらも工業製品としての完成度が高いんですよ。ああいう完成度の高さは15年前までは日本の電化製品の特徴だったのですが、今や中途半端な設計のマシンが多くなり、非常に残念に思います。

あと、いきなりiMacのラインナップが3つに増えたのは多いんじゃないかという意見がありますが、まあ仕方ないんじゃないかなあ。今までiMacって【どの色を買うか】以外の選択肢がなかったのに、今度のは最上位のモデルの位置づけが中途半端ですよね。HD容量とビデオミラーリング機能しか差別化ポイントが存在しないなら、BTOオプションにすればよかったと思うんですが。でも、ご家庭でコンピュータを使って手軽にビデオ編集したいというユーザーニーズは非常に大きいのよね。現実にワシも今まで会社の先輩や同僚からパソコンでのビデオ編集について相談を受けても、適切に応じることができなくて難儀していたんです。だってさ、初めてパソコン買うような人にいきなりPowerMacG3/G4とかVAIO(タワー型)って勧めにくいでしょ。そうゆう【インターネットしたりゲームしたりするついでにDTVも】みたいな欲張りなユーザーニーズをしっかりとくみ取っているのが今度のiMacだと言えます。ビデオ編集用のソフトも付属してるしね。おまけにDVDは観れるし。これがJobsの言う『コンシューマ・デスクトップ』なのかしら。だとしたらなんと贅沢なことか。いよいよ無敵のオールインワン・パソコンに進化したな、という感じです。しかし10か月前に"Love Yosemite"を書いたときから、ここまで進化していくとは思いませんでしたねー。ADBやシリアルをよくぞ切り捨てたものだと感心します。

最後に欲を言えば、iMac 最上位モデルはG4だったらさらに良かったんだけどなー。でもそれだとPowerMacG4が売れなくなりそうだし、今のところG4は冷却ファンが必須なので、G3を選択した事は適切だったと思います。IBMによるとG3はさらに高クロック化が進みますので、まだまだ現役で活躍するんでしょう。ということで来年にかけてはコンシューマ=G3、プロシューマ=G4という棲み分けの図式が予想されますが、さて、どうなりますか。

 

1999.10.09

 Back to "Others"