言葉ってむずかしいのね

 
英語の書き方は?
今回自分のWeb Pageを作っていて、あらためて英語の表記方法について考えさせられてしまいました。

     
Pat Metheny

さあ、この名前はどう表記(発音)したらいいのでしょう?
マスコミではもっぱら「パット・メセニー」と書かれていますが、"Pat"を「パット」と書くのははともかく、"Metheny"は「メセニー」とは発音しないのね。正しくは「メッセーニ」or「メッシーニ」で、Methenyの真ん中にアクセントが付きます。ちなみにPat本人の発音は「メッシーニ」に近く、"th"もあまり舌を噛んでないようです。

あと、アルバムタイトルにもむずかしいのものがあって、それわなんといっても、

    
As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls

これですよ、これ。これをどーやって発音するわけ?とか思っていたんですけど、実はPat本人の発音を聞く機会があったんですよね。そしたらもう、そのまんま「
アズ・フォールズ・ウィチタ、ソー・フォールズ・ウィチタ・フォールズ」って言ってました。早口では言いにくいらしく、妙にゆっくりと発音してましたが(笑)。
まあそんなこともありまして、英語(特に人名)をカナ表記するのは難しいし、好ましいことでもないと思いました。そのためこのWeb Pageでは、英語の名前やタイトルは極力英語のまま記述しています。
 
邦題あれこれ
同じくPat Metheny Groupの昔のアルバムをひっくり返していたら、80年代頃までは英語タイトルとは別の「邦題」が付いていたのですが、これがまたトホホなものが多くて笑えました。ちょっと例をあげてみます。

原題

邦題

トホホ度(5点満点)

Are you going with me ?

「ついておいで」
ついてくるかい」という別意見もあったそうな

(*)

OFFRAMP

「愛のカフェ・オーレ」

★★★★★

San Lorenzo

「想い出のサン・ロレンツォ」

★★★

(*)「ついておいで」はそんなにわるくないと思うんだけど、「ついてくるかい」だとほとんど「嫁にこないか@新沼謙治」の世界である。こっちになってたら確実にトホホ度
★★★★★
ちなみに「愛のカフェ・オーレ」という邦題は、このアルバムの中に"Au Lait"という曲があったので、そこから付いたと推測される。しかし"Au Lait"=カフェ・オーレ、という発想はなんとかして欲しいし、そこに「愛の」なんて形容までしちゃうんだから、当時のレコード会社のディレクターの文化レベルも推して知るべしである(←この言われよう)。

あと、JAPAN/David Sylvianのアルバムなんかだと、原題とまったく脈略のない邦題なんだけど、曲の雰囲気にあってるというか、むしろ原題よりもよっぽど良かったりするのがすごいです。

原題

邦題

備考

Adolescent Sex
(Japan)

「果てしなき反抗」

実際には反抗というよりも、現実逃避だったようですが(毒)。Sylvianの現実逃避癖についてはいろいろ書きたいわね。

Gentlemen Take Poraroids
(Japan)

「孤独な影」

原題は意味無さすぎ。サウンド的にも邦題はイメージにピッタリで秀逸。

The Ink in the Well
 (David Sylvian)

「詩人の血」

"The blood of the poet, the ink in the well"という歌詞の一節の前後どちらを引用するかの違い。邦題の方がセンスいいと思う。ただし英語で" The blood of the poet"とした場合、イメージが直接的で強すぎるかなって気がする。


それから、邦題というとやっぱり昔の映画を思い出すんですけど、たとえば「ローマの休日」って邦題はタイトルの良さが半減してると思うのね。原題は「Roman Holiday」なんだけど、映画に出てくるタイトルの字体を見ただけでもわかるように「Roman=Romantic」にひっかけてるわけよ。だからあのタイトルロールになんともいえない甘さがあって大好きなんだけど、これを「ローマの休日」って直訳しちゃうとあっさりしすぎちゃって、惜しいなあと思うのでした。
あと「愛のカフェ・オーレ」のように「愛の」とか「恋の」とか、余計な形容が付くことも多かったんですよね。
この有名な例としてはやはり「
地獄の黙示録」でしょう。原題を直訳すると単なる「黙示録」になっちゃうんだけど、「地獄の」って形容がついたことで俄然迫力を増したタイトルになってるもんね。ちなみに「地獄の」って接頭語を付けた邦題は、「地獄のコンバット」などをはじめとして映画にはかなり多いです。とりあえず、"OFFRAMP"が「地獄のカフェ・オーレ」なんて邦題にならなくて本当に良かったと胸をなで下ろしています(爆)。

 

1998年6月21日 

 
ひえぇ、さっき「やのコレ」の木元さんのWeb Pageを拝見したら、全く似たようなテーマのページがありました(汗)。決して真似たわけではないんですが、やっぱり考えていることが近いのかしらね。
 
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