12月31日のニュース





〜業務日誌より〜

皆さんこんにちは。

イギリス紳士さんの第3報道局でアルバイトしている華小娘です。

今年も最後の一日となってしまいました。

しかし編集長(イギリス紳士)は今年の春先からずっと行方不明になっていました。

時給50円でがんばったアルバイト代600円もまだもらってません。

今日は何ヶ月ぶりかに編集長が出勤するというので私もやってきました。

では、今日の業務内容に移ります。

*****

華: 「編集長!これまで一体なにしてたんですか?!このスットコドッコイ!!

編集長(イギリス紳士)は、デスクの横で何かしていた。

編集長: 「やあ華ちゃん、久しぶり」

編集長はキラリと白い歯をきらめかせてさわやかな笑顔を見せた。

ただし、床に倒れこむようなアクションと同時だととてもヘンである。

華: 「久しぶり、じゃないです。てか、一体何してるんですか?床に倒れこんだりして」

編集長: 「ああ。練習だよ。パンをくわえて走ってくる美少女と街角でぶつかるときのために

華: 「・・・。」

編集長: 「この半年以上、至るところの街角で立って待ってたんだが、結局現れなかったなあ・・・(遠い目)」

世の中にはいないです。

華: 「編集長、近所にいい病院ありますが、紹介しましょうか?てか、是非診察を受けてください。というより受けろ」

編集長: 「メガネっ娘のメガネを外すと美少女だ、という話もあるがあれは本当かね?」

華: 「・・・。」

編集長: 「血のつながらな・・・

華: 「妹はできません

編集長: 「じゃあ、『いつもケンカする男まさりの幼なじみの女のコ』は告白してく・・・」

華: 「くれません!・・・そんなことはともかく、2003年の10大ニュースのテーマの選出は終わったんですか?」

編集長は少しへこんだ様子で、デスクに座った。

大晦日の昼時、窓から射し込む太陽がまぶしい。

私は今ここで何をしているのだろう。

今、目の前にいるこの生物はどう考えても、あらゆる意味において的外れな存在だと思う。

しかし私の上司であった。

編集長: 「まず、一つ目は当然、受賞した・・・」

華: 「ええ、田中耕一さんと小柴昌俊さんですね?」

編集長: 「いや? ゴージャス松野氏だ。ワイドショーで『ネタをたくさん作ったで賞』を受賞している」

華: 「・・・。」

編集長: 「彼は離婚劇のあとも、執筆活動、ホストデビュー、プロレスデビュー、司法試験挑戦、AV界進出など多彩な人生を送っている。素晴らしいではないか」

華: 「人生切羽詰ってるって感じもしますが・・・」

編集長: 「二つ目は、当然、タマちゃんだ」

華: 「そうですね、暗い世相の中に明るい話題をくれましたね」

編集長: 「違う、年末のクソ忙しいときに敵対する暴力団の組員を射殺した鉄砲玉のタマちゃんだ」

あんた何考えてんだ?あ?

華: 「・・・。暗い世相がますます暗くなってしまいます」

編集長: 「んで三つ目はちょっと個人的なことなんだが、ピーマンが食べれるようになった

華: 「知らねーよ

編集長は少しビビったようだった。

ここはある程度脅かしておいたほうがいいのかもしれない。

華: 「・・・。編集長、全部やり直ししてください」

編集長: 「ハイ」

2002年のニュースの総まとめが年内に終わらないことは確かだった。

というよりこの企画自体、いや、会社自体が残るかどうかがとても心配だった。

華: 「ところで編集長」

編集長: 「ん?」

華: 「ズボン破けてます」

何度も、架空の女子高生とぶつかる練習をしていたためか、お尻の部分がぱっくりと割れて、中の白いブリーフが見えていた。

編集長は、イヤン♪と言って、それを隠した。

泣きたくなってきた。

そうだ、辞表を提出しよう・・・。







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