〜業務日誌より〜 私・華小娘18歳は今、イギリス紳士さんの下でバイトをしてます! 二日ほど無断欠勤をした編集長が今日やっと出勤してきました。 ええ、あこがれの編集長ですもの。 ところで最近気が付いたことがあるんです。 時給は50円。3時間働いて150円。 でも往復の電車代に500円ほどかかるんです。 ガムとかアメを買うどころではありません。 めっちゃ足出てます。個人的には赤字です。 でもがんばります。 ***** 華: 「編集長! ニュースです!!」 編集長(イギリス紳士)はデスクでTシャツ+ブルマ姿でスクワットをしていた。 華: 「・・・。」 編集長: 「なにかね?ああ、いやほら今度青少年育成プログラムの講演会があるだろ?それに参加するにあたってナウでヤングな青少年の気持ちを少しでも理解しておこうと思ってね。まずはカタチから入らないと」 とても爽やかな汗を流しながら編集長はそう言った。 だからブルマ姿でスクワットですか? それはまったく道を間違えているのではないだろうか、と思ったが私は黙っていることにした。 というよりそういうアンタの存在が一番悪影響だよ。 編集長: 「キミもあとでやってみるかい? ちょうど来月社内ドッチボール大会もあることだし。今私が使ったあとのブルマだが。っていうかこれキミのだし」 もう使えません。 華: 「・・・。」 編集長: 「で、用件は何かね?」 華: 「今日の配信のニュースですが、こんなのはどうでしょう? ほんとは外相交代とか雪印乳業の解体劇とかのニュースでもいいかな、と思ったのですがやはりこの殺伐とした現在の日本を考えると明るいニュースをもってきたほうがいいのではないかと思いまして」 編集長: 「明るい話題といえばもうすぐバレンタインだね。華ちゃんは前回のクリスマスも大晦日の晩も家で一人で壁を眺めながら孤独を噛み締めていたらしいが」 華: 「・・・。」 編集長: 「今回のバレンタインはどうなのかね? “あなたのハートに私のスカッドミサイル発射♪”かい?」 華: 「いいから黙れ。・・・それはそうと、こっちの記事見てください」
華: 「無差別テロで精神的にも大打撃を受けたアメリカ国民がそのダメージから立ち直って、明るい未来へと再び歩き出す、そういうオリンピックです。日本においてもマイナスイメージのニュースが多い中、きっとメダルを持ち帰るニュースは国民に明るい希望を与えることになるでしょう。そもそも近代オリンピックは1894年、古代体育に魅せられたフランスのクーベルタン男爵の提唱によって世界平和を基盤として復活したものです。世界のすべての民族が平和共存できるという証明のためにスポーツを通じて親睦を深めるという趣旨はテロでダメージを受けた人々の心を癒す効果があるのではないでしょうか」 編集長: 「確かに里谷多英は癒し系だね」 華: 「話をちゃんと聞けよ、このアホンダラ!!」 編集長: 「ハイ」 華: 「・・・取り乱して申し訳ありません」 編集長はちょっとチビってしまったようだった。 編集長: 「パンツ替えてきてもいい?」 華: 「ダメです」 編集長: 「ううう・・・」 華: 「あ、編集長、ひとついいですか?」 編集長: 「なにかね?」 華: 「Tシャツからブラが透けて見えてます」 もうこの会社辞めてもいいですか? |