そしてそこには15人ほどが本を立ち読みしていた。 そこの本屋に7時、巨乳グラビアを読んでいるのがワラビさんのはずであったがはっきりいって本人を見分けるのはかなり困難であった。 なぜならそこではすでに男性数人がソレらしき雑誌を眺めていたからであった。 待ち合せの目印を「優香」のグラビアにしたのは間違いだっただろう。 人気のため、あまりにも普通なのである。 いっそ巨乳グラビアといいつつ「森公美子」あたりの写真でも眺めていてくれればわかりやすかったのだが、だがしかし、いくらワラビさんといえどもあれはストライクゾーンを外れているはずだ。そう思いたい。 僕は本屋入口にある公衆電話で携帯に電話をかけ、呼び出すことにした。 すると携帯電話を取り出しながら出てきたのは、長身のホスト系であった。 そしてそれがワラビさんだったのだ。コンピュータの技術関係という職業柄、カバンは持っていない。 そして襟の狭いスーツに濃色のシャツ、光沢のあるネクタイ。 黒とはいえ長髪であり、長いまつげを備え、そして極めつけはその低いトーンの声である。 その姿は明らかに新宿ドンキホーテの名うてのホストであった。 間違えても葛西とか八王子にあるドンキホーテではない。あれはディスカウントショップだ。 そして隣りを歩くのは小柄で色の浅黒い僕である。 ピアスをつけた半ズボンのその姿はお子様といっても過言ではないだろう。 こういうまったく“おもむき”の違う僕らであったが、僕がいちばん心配したのは『遠距離恋愛のホモ再会の図』に見られなかったかどうか、である。 居酒屋に向って歩く僕らは明らかにうきうきであった。 残念だったのは居酒屋で示された席が、カウンターのいちばん奥だったことだ。 当然ここは入口を背に向けるわけで、僕らの視界に入るのはカウンター内で働くオニイチャンたちだけだったのだ。 目の前の一人は『ベンガル』に似ていたが、それはもはやどうでもいいことであった。 おそらく、入り口が見えるところに陣取っていたならば、女性客が入るたびに秘技『おっぱいアナライズ』が披露されることは必至だったからである。 そう、今回の初顔合わせで確認されたのは、『やはり、似ている』という点であった。キャラかぶりまくりである(笑)。 軟弱ブラザーズとしてはやはり兄弟以外の何モノでもなかった。 詳しい話をここで明らかにしてしまうとおそらく「ひいて」しまうことは確実なのであえて書かないが、ひとつだけ言わせてもらえば、『なんでそんなに弱いの?』という点に集約されるだろうか。 そこらへんはおそらく硬派であろうと思われる金杉氏とはおおいに差があるところだ。ちなみにおもしろいことにうちの父の出身地近くの大学に通い、そしてうちの父はワラビさんの出身地にある大学に通っていたことが判明した。 実際に逢ってのワラビさんの印象は、『やはりHPのままだったか』というのが半分、『ん? イメージと違う』というのが半分であった。 前者は上記のようにキャラがかぶっているところであり、後者はといえば、それはそのトーンの低さであった。ワラビさんは常に同じ低いトーンで会話を続ける人だった。 ボケもツッコミも普通の会話もすべて同じトーンである。慣れたらその違いもわかるのだろうけど。 ワラビさんとの会話でおもしろかったのは、乳ネタ、女の子の話だけではなかった。 ビジネス観、仕事の価値観も非常に興味深いものだった。 お互いにHP上で身分を明かしていないのでここでバラすわけにはいかないが、旧財閥系情報関連企業でシステム開発をしているということだ。 給料もそうとうイイらしく、新しく買ったというクルマは3ナンバーであった。僕は帰り、それで家まで送ってもらった。 お互いおどろくほど近いところにすんでいるのである。 さて、そんなワラビさん。現在彼女ナシらしい。はっきりいってかなり『お買い得』のはずである。 なんせ、いいところに勤め、いい給料をもらい、高身長ホスト系である。 もしあなたが『童顔・小柄・巨乳』であればそんな彼氏をGETできるチャンスである。 長男だからかどうかわからないが、ワラビさんは『かよわい女の子を守りたい』タイプだそうだ。 僕はつねに上に強いプレッシャーがあったので、むしろそういう『圧倒的にひっぱる』のは苦手なのだが、それはどうでもいいことかもしれない。 現在、ワラビさんはそんなあなたを待っています。 メールはこちらまで。 |