キュービー3年間クッキング
 

 
え、今日は人生を明るくエンジョイしようとする女性向けの初夏のお料理をご紹介しましょう。夏は暑いですからね、これをおいしく料理してうまく乗り切ってください。

今日ご紹介する料理は、「亭主元気で留守がいい」ですね。これと同じようなレシピに「カカア天下」というのもありますが、基本は一緒です。

そのまんまではアクが強すぎる男性でも、ちょっとした工夫でいためますと、とっても口当たりのいいクセのない味になりますんですよ、お嬢さん。今日はしっかりとレシピを憶えて、おうちに帰ったらさっそく試してみてくださいね。

まず、ここに用意しました素材ですが、これは今朝、国立大学で釣ってきた男子学生ですね。ほら、なんとなく賢そうな顔をしているでしょう? 

素材を選ぶときのコツは、産地に注意しましょうね。渋谷産のロン毛無精ヒゲは扱いが難しいので、素人さんにはおすすめしませんね。それに性欲ばかり強くて賢さは微塵も味わえませんからね。

無難なのは、そうですね、ラルフローレンあたりをかっこよく着こなしている男を横浜あたりで釣るのがいいと思いますよ。

大学生の場合は、そうですね、体育会系のほうがいいかもしれませんね。特に国立大学の体育会系は、学力はある割に女のコに不慣れな分お買い得かもしれません。

でもなんちゃって体育会系もいるので注意してくださいね。短めのスカートをはいたり、胸元を強調するブラウスを見て顔が赤くなるのがホンモノです。なんちゃって体育会系は鳴き声だけはホンモノと同じ「ウスッ」ですが、こういうときにはなぜか無反応です。そこでちゃんと見分けましょうね。

で、こうして吟味された素材を調理するわけです。

まず最初のうちは緊張して固くなってますから、やさしくこねるわけです。テツナギ・ウデクミなどを使うと効果的かもしれません。こうして優しく優しく扱うワケです。今日の料理で一番大事なのはここかもしれませんね。あせっちゃいけませんよ。じっくりとゆっくりと扱ってください。

そのうち緊張が解けて、だんだん熱を帯びてきますね。だんだん向こうがこっちに夢中になってくるワケです。素材によっては、発酵するうちに、熱といっしょにセイヨクも出てくるかもしれませんが、それはいまのところ無視してください。

適当なころになったら、もう大丈夫です。そんなにていねいに扱わなくても、熱を帯びたままの状態になります。こういう状態になったらあとはラクチンですね。

ここで、しばらく素材をそっちのまな板に置いておいて、別の素材をこっちのまな板で調理することもOKです。専門用語ではこれを「ウワキデヤキモキ」といいますが、要するに、寝かしてさらしておくわけです。鋼が、熱くしたり冷ましたりを繰り返すことで鍛えられるのと一緒ですね。

でも素材の熱が冷めるまえに、また戻って調理にかからなくちゃいけません。こういうときには、「オベントウ」とか「オソウジ」なんかを使うと効果的かもしれませんね。で、また素材が熱を帯びてきたら、寒さらしにするんです。

これを何回か繰り返したら、もうこの素材はいい感じにクタクタになります。でも注意ですが、これをあまりやりすぎると、素材が「ノイローゼ」または「ストーカー」という状態になってしまいますので、これはダメです。ちゃんと、適度な温度に維持してくださいね。

さて、そろそろ素材にも充分にセイヨクが溜まってきた頃ですが、それは処理する前にじらさないといけません。うな丼は出されてからちょっとのあいだ、ふたをして蒸らさないといけませんね。それと同じです。このときには「セイリチュウ」あるいは「モンゲン」なんかのスパイスをうまく使うといいかもしれません。

で、やっと素材からセイヨクを処理するわけですが、このとき初めの素材選びをしっかりとしておかないとイヤな気分を味わうことになるので、注意が必要ですよ。だから品定めはしっかりとやってくださいね。

さて、ここまでの段階ですでにもうこの素材はアクもなく、シナっとして抵抗心のかけらもないんですが、まだ安心はしちゃいけません。

しばらく上の工程を繰り返しておくと、今度は素材にセイヨクの代わりに、「ケッコンヨク」が溜まってきます。でもこれも簡単に処理してはいけません。

うな丼と一緒ですね。焦らすことが重要です。このときには、「マダハタラキタイ」とか「チョウナンハイヤ」といった道具を使うとうまくじらすことができるかもしれませんね。

こうして、焦らしがうまくいくと、最終的には素材が「土下座」するようになるかもしれません。こうなったらしめたものです。専門用語では「ドゲザケッコン」といいますね。そしたら、最後の仕上げに、印鑑を押すだけです。

ここまで調理がうまくいきますと、ほら、ごらんのように嫁にまったく頭のあがらない亭主ができあがるわけです。いくら素材にアクがあってもなんとでも簡単に調理できますよ。

あとはもう煮て食おうが焼いて食おうが嫁さんの思いのままですね。がんばって外で働いてもらって給料だけ入れてもらって、でも趣味など一切やらせないという「亭主元気で留守がいい」が完成するわけです。

ま、中にはどうしてもアクのとれない素材もありますが、そういうときには「リコン」というスパイスを少しだけ隠し味程度に振ってみるとといいかもしれませんね。同じようなスパイスに「ジッカニカエル」というのもありますが、使い方は一緒です。

さ、これでできあがりです。どうです? 見事なもんでしょう。これが「亭主元気で留守がいい」の完成版ですね。そちらのお嬢さんもこういう嫁さんを見習ってくださいね。

見事に、夏場の「おでん」でも有無を言わせませんね。そうです。あなたが食べたいと思ったものを食べる。それが基本ですよ、お嬢さん。



メインページインデックスへ戻る
お遊びページインデックスへ戻る
恋愛は格闘技だ!インデックスへ戻る