インキンブラザーズ誕生の日


うちのクラスには橋本という、典型的ないじめられっこがいた。

彼は中
のくせにやたらとジジくさい顔をしていて、それをからかうと、顔を真っ赤にしておこるので、みんなに親しまれながらいじめられていた。

運動用マットに“眦巻き”にして一時間くらいほったらかし
にしておいたのもみんなのであった。

さて、特に彼がインキンだったわけではなかったのだ。


あれははっきり言って、強引なこじつけだったように思う。


しかし、やたらとインキンという言葉が流行ったうちのクラスでは、
彼はいつのまにかインキン2号と呼ばれるようになっていた(笑)。

当時折しも「天才たけしの元気が出るテレビ」でダンスがブームだった頃。

世はLLBrothersが大流行だった。そこらへんについては、テキスト王さんの「若気の至りくん」にくわしく載っている。

で、うちのクラスではそれに対抗して
“インキンブラザーズ”を秋の文化祭でデビューさせようという話が持ち上がった。

当然その
2人は決まっている。そ

こまで盛り上がっていたら、
当の本人たちにやる気があろうとなかろうと関係ないことであった。

が、しかし。

フィニッシュポーズの、
「チンチンかいーの」くらいは決まったものの、 他のダンス部分が煮詰まらず、結局夏休みをはさんで話はいつのまにか消えてしまった。

惜しいことをしたものだ。


あれが実行されていれば、後夜祭では大ウケ間違いなしだったろうに。

教訓 「中途半端はよくない」


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