最初の先生は

1999/6/18
  最初に獣医さんに行ったのは2度目の予防接種でした。5種混合というあれです。ブリーダーさんのところで最初の注射を打ってくれていて、獣医さん発行のきれいな手帳に5月21日5種予防接種と記入してありました。2度目はそこから30日ということでした。最初にブリーダーさんの方の獣医さんで打ってくれたワクチンは
キョウト ビケンのD5Vというワクチンで、ジステンパー、伝染性肝炎(A1)、伝染性喉頭気管炎(A2)、パラインフルエンザ、パルボウィルス感染症の5種だと手帳に書いてありました。
 まだ、歩いて連れていけないし、家内がHALを助手席に乗せて車を運転するのは不安だったので、僕が運転して家内がHALを抱っこしてました。 家の近所は犬も歩けば獣医にあたるほど獣医さんが多く、ちょっと車で走るだけで3軒、ちゃんと捜せば半径3キロ以内に7〜8軒はあります。しかし、近所に犬を飼っているお家が無く、どの病院が良いのか良く分かりません。結局、子供の塾の行き帰りに良く見掛けた病院に行きました。車を停めて看板を見ると病院兼、ペットホテル兼、トリマーという、まるで唄って踊れる手品師のようなマルチタレントぶり。さぞかし沢山人が働いているんだろうと思ってドアを開けると、ガラ〜ンとした小さな待合室に端っこが黄色くなったフードのポスターが貼ってありました。日焼けして白くなった受付カウンターの上に錆びたちいさな呼鈴がひとつ。ご用の方はベルを鳴らしてくださいと書いてあります。働いている人どころか、犬一匹、猫一匹いる気配がありません。どうなってんだろうこの病院と思いながら、チ〜ンとベルを鳴らすとものすご〜く愛想の無い女性がカウンターに現れました。
「どうしました?」
「予防接種にきたんですが」
「じゃこれ書いてください。」
と用紙を渡されました。
[患者さんのお名前]という欄を見て、えっ、患者じゃないだろうだって犬だもんと思いながら、小林HAL(ハル)と書込みました。犬にも名字があるんかな?でもうちの子だからやっぱり小林HALだよな、などとぶつぶつ言いながら書き終わり、HALを家内から受け取ってダッコして待ってると名前を呼ばれました。
「小林HALちゃんどうぞ」
診察室は今思えば結構広かったのですが、ビビッたのはすべての器材が凄く古びていること、それと先生がお年を召していることでした。僕の父よりもさらに年上のような感じです。真っ白いもじゃもじゃの髪の毛と白いひげ、背中も少し曲がっているようです。HALは初めての病院だというのに物怖じする気配も無く、尻尾をブンブン音がするくらい振りながら老先生にじゃれついています。
「お〜よしよし、良い子だね〜、可愛い子だね〜」
と老先生はまるで孫を見るように目を細めHALをなでなでしてくれます。
良く見ると心なしか手が震えているような気がして、思わず家内を見ると家内も老先生の手の当たりをじっと見ています。内心大丈夫かなァ〜とちょっと不安でしたが、もうここまで来ちゃったんだからまな板の鯉です。体重を量って、目とか耳とか口とかいろんな所を調べてくれています。その間中ずっと例の孫を見るような目つきで。ああこの先生は本当に動物が好きなんだなァ〜となんだか嬉しくなってしまいました。いよいよ注射をする段になると流石プロフェッショナル、手の震えもピタリと止まり百戦錬磨の技のさえです。HALの首筋をちょっとつまんだと思ったら、HALが何ナノこれって振り向く間も無く終わってました。その後いろいろ子犬を育てる注意事項を伺ってから、フィラリアのお薬をいただいて病院を出ました。帰りの車の中で「良い先生だったネ。」と家内が言いました。僕も「良い先生だったけど、ちょっと先生がお年だし、設備も古かったよね....。」とちょっと口篭もりました。獣医学も日夜進歩を続けている訳で、自分家の子を見てもらうんだったらもう少し若い先生で、もう少し新しい設備の病院が良いかなって思いました。今回打ったワクチンは共立商事のドヒバック7というもので、ジステンパー、伝染性肝炎(A1)、伝染性喉頭気管炎(A2)、パラインフルエンザ、パルボウィルス感染症、レプトスピラ病の6種(でも7種って言われたような気が??)、フィラリアのお薬はミルベマイシンでした。
今回の金額
¥7,500


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