本書は、1855年（安政２年）日本に来航したアメリカ海軍北太平洋測量艦隊の一等少尉
アレクサンダー・ハバーシャムが著した「マイ・ラスト・クルーズ」より、
日本近海の航海、琉球、下田、箱館、蝦夷地を巡る約五週間におよぶ滞在記録の翻訳である。

米兵に脅える琉球　開港場下田・箱館の交易の実態　アメリカパイオニア商人
ディアナ号ロシア兵の帰還　日本人の蝦夷地支配・アイヌ民族の姿

ペリー条約（日米和親条約）締結一年後の安政二（1855）年、アメリカ海軍
北太平洋測量艦隊は、大西洋、インド洋、中国海域の航海を経て、日本近海を測量航海し、
琉球、下田、箱館、蝦夷地に来航した。目的は合衆国のアジアへの商業圏拡大や
捕鯨業の保護のための航路調査、海図作成だったが、五週間におよぶ日本各地の
滞在のなかで、開国過渡期における日本との和親条約の実施状況の調査に及んだ。