「ペーターマン地理学報告」について

　ドイツの地理学者・探検家ペーターマン(Petermann, August Heinrich, 1822-1878)が創刊した、世界的に
有名な地理学誌です。安政条約では外国人の日本内地旅行の自由はなく、居留地の十里四方の遊歩しか許
されませんでしたが、1874年（明治７）に「病気療養」と「研究調査」の条件付きで、内地旅行権が与えられ、
さらに1879年（明治12）には政府勤務のお雇い外国人の内地旅行に関する大幅な自由が与えられました。
これを契機にドイツ人、イギリス人、アメリカ人をはじめ地理、気象、鉱物、産業などさまざまな研究目的を
もった旅行が行われました。

　本誌の1878年〜1882年に発行された号には、日本内地の自然科学調査の記録の大部分が収録されて
います。本カタログでは、それらを含む巻、および、個別の掲載号をご案内しております。明治初期〜前期の
地理学、地質学、気象学などの重要な論文があり、特に大型の彩色折込み地図や図版も貴重な参考資料です。
若干の地理学関連文献をご紹介します。