体調を崩しながらインドとパキスタンの国境に近い砂漠の街、ジャイサルメールに降り立った僕は正直驚いた。この地の前に滞在していたジョドプールも砂漠の街、とは言えどこかインドらしさも残りそれなりに都会だった。ところがここは本当に砂漠の街、まるで少年の頃にやったドラゴンクエストの世界にいるようだった。武器屋があり、道具屋があり、宿屋がある。一歩街を出れば砂漠、ところどころに泉もあるが、基本的には砂漠だ。アウランガバードで出会ったドイツ人のDirkがジャイサルメールは本当に美しい場所だから必ず行くべきだと勧めていた理由がよくわかった。写真は到着した翌日に向かったジャイサルメールから南に50km行ったところにあるクーリー村、今はジャイサルメールに来る観光客のキャメルサファリの拠点として栄えているようだが、行ってみると本当にドラゴンクエストの村だった。人口はどれほどいるのだろう。ところどころには魔物に破壊されたような家屋もある。もちろん道路は完全には舗装されていない。そんなところにラクダがいたら、それは本当にゲームの世界に入ってしまったようなもので、日本人の僕からみたらまさに異次元で、新鮮で、そして美しかった。こんな場所の子供たちでさえバクシーシをせがんできたのだけは、唯一の残念だ。