南のサイゴン（ホーチミン）から北のハノイに向かって３分の１ほど行ったところにあるベトナムの老舗リゾート、ニャチャン。日本の熱海を想わせる、若干廃れたこのリゾートでは今もスキューバダイビングが盛んで、私は初の一人旅ダイビングに挑戦した。このダイビングポイントは日本でもさほど有名ではないせいか、日本人は私と３人組の学生らしき女の子だけ、それ以外は全員欧米人だった。写真はその欧米人たちの中で、やはり独りで参加していたある男性である。１つ目のダイビングが終わり次のポイントへ向かう途中、彼は船の２階の先端に腰を下ろし、潮風を浴びながら小休をとっていた。船が向かう方向には、「広い空」とこれまた「広い海」、そして小さな無人島しかない。こんなシンプルな構成の中を波に揺られながら、暖かい太陽を浴びながら進んでいくうちに彼はいつの間にか居眠りを始めた。