アジアの代表的な世界遺産の一つであるカンボジアのアンコールワットを訪れているときに撮った写真である。身なりや靴の奇麗さからしておそらくアジア各地を旅しているバックパッカーではなく、この世界遺産の観光目的で短期旅行に出てきた欧米人ではないだろうか。暖かい陽気の下、歴史ある遺跡の窓枠に背をもたれて休憩をしていた。広大なアンコール遺跡群を廻って疲れてしまったのだろうか、それとも単に同じような遺跡群に飽きてしまったのだろうか。自分からこの遺跡を見に来たというより、遺跡好きの友人と一緒に来て相方は大はしゃぎで遺跡を見に行っていて、「私はちょっと疲れたからここで待ってるわ」と言って休んでいる、そんな雰囲気を醸し出していた。彼女の生活ペースさえ感じられる心地よい疲労感（？）と今はすっかり廃れてしまった遺跡群の雰囲気、そして穏やかな気候が作り出す空気が合わさって、非常に自然なシーンを撮ることができた。