森林ボランティア入門書「森作りテキストブック」著者/中川重年

 近年、「森づくり」や「森林ボランティア」と呼ばれる市民ボランティアグループが全国的に増えており、その数は1000以上と言われています。しかしこれまで、森づくりの方法や目的を分かりやすく解説した本は意外にも見当たりませんでした。本書は、森づくりのフィールドとなる雑木林(里山林)やスギ・ヒノキの人工林の成り立ちから、実際の森林管理作業の手順、目的、必要となる道具などを、初心者に分かりやすく解説した入門書です。さらに、主要樹木の解説、林産物の活用方法、森で行えるレクリエーション、ボランティアグループの運営方法などにも触れています。見開き単位でタイトルを立て、右ページに文章、左ページにイラストや写真を配したレイアウトを基本としています。
 私自身、いくつかの森づくりボランティア活動に参加してきましたが、「何のためにこの作業を行っているのか」という本質をよく理解していない参加者も多く、お祭り的要素が強かったり、自然保護に偏っていたりと、まだまだ発展途上にある分野と感じています。生態系保護やCO2固定を考えることも大事ですが、人の生活になくてはならない森林や樹木についてより現実的な知識を持ち、木材をはじめとした林産物を正しく活用していくことが、自然への理解を深めるとともに環境保全にも結びつくはずです。
  本書は、里山林活用・林業・生物多様性・レクレーションのそれぞれの面からバランスよく解説しています。森づくりに関心があるけどよく分からない方、森づくりを基礎から学びたい方にぜひ読んでいただきたい一冊です。(編集協力・林将之)

 

 

日本の森はボランティアが変える
森づくりテキストブック
市民による里山林・人工林管理マニュアル

発行/山と渓谷社
著者/中川重年
定価/1800円(税込1890円)
判形/A5・モノクロ224ページ
発行日/2004年2月10日

<構成>
第1章 日本人と森の関わり
第2章 里山林(雑木林)の整備目標
第3章 里山林の整備作業と利用
第4章 竹林の管理
第5章 人工林の管理・利用
第6章 森づくりの道具
第7章 参加型から主導型へ

<ご購入>
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