蒼空。。。

 

 

 ” ふっ ”と空を見上げると、、、つきぬけそうなくらいに透き通った蒼空が世界を包み込んでいる。

 その蒼い世界にふんわりと浮かぶ真っ白い雲は、気持ちよさそうに昼寝でもいているかのようだ。

 

 ” こんな風に空を見上げたのはいつ以来だろう。。。 ” 

 

 僕は、ふっと立ち止まって考える。

 

 赤・黄・緑、、、クレヨンで塗りつぶしたかのように、それまで色褪せていた街が、、、いつのまにか僕の瞳(め)に鮮やかな色彩を帯びて映し出されている。

 

 僕は、蒼空に向かって大きく深呼吸する。

 お日様の匂いがなんだか懐かしく感じられた。

 

 ” よぉし! ”

 

 僕は、思いっきり背伸びをする。

 そして、、、はじかれたように駅に向かって走り出した。

 

 

1999.7.25 Written by Kanon