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モンゴルカモメ Larus smithsonianus mongolicus

 日本鳥類目録第7版にはキアシセグロカモメLarus cachinnans mongolicusと記載されていますが, 最近の分類ではmongolicusは種アメリカセグロカモメLarus smithsonianusの亜種とされています. 鳥学会の和名は国際動物命名規約を無視してつけられていますので異種,異亜種同名となり混乱します. ここでは学名を和訳してモンゴルカモメとしています.
 モンゴルカモメは足の色が黄色からピンク,肉色まで様々な色をしていてセグロカモメとフィールドで見分けることは困難です. しかし,換羽時期の違いで10月から1月までは見分けることができます. モンゴルカモメはセグロカモメより初列風切の換羽がおよそ1ヶ月遅いので10月は初列風切のP6が旧羽で残っています. この時期セグロカモメはP6は換羽中または新羽になっています.下の写真上2枚がモンゴルカモメ,下2枚がセグロカモメです

モンゴルカモメ,雲仙市千々石,2020年10月2日
P6-10は旧羽で先端が摩耗しています.

モンゴルカモメ,雲仙市千々石,2020年10月2日
P3が伸長中(換羽中)で先端に黒斑があります.セグロカモメにはありません.

セグロカモメ,雲仙市千々石,2020年9月25日
P6,7の新羽が見えています.

セグロカモメ,雲仙市千々石,2020年9月25日
P5の黒斑は外弁のみです.モンゴルカモメの黒斑は内外弁にまたがります.