種ヨーロッパチュウシャクシギNumenius phaeopusには7亜種が記録されています．日本で冬季普通に見られるのはチュウシャクシギ N. p. variegatusとされています．
佐賀大授搦で見るチュウシャクシギは嘴を干潟に差し込んで蟹を捕食します．2023年4月28日に中央干拓地で観察した十数羽の群れは渡りの途中大授搦にはよらず道路横の草むら，畑に入って昆虫を採餌
していました．屋外で野鳥を識別するのは難しいので写真を撮り図鑑で識別を試みました．結果ヨーロッパチュウシャクシギpheopusと判断しました．
種ヨーロッパチュウシャクシギNumenius phaeopusの亜種の生息地，移動地
| 亜種名 | 繁殖地/生息地 | 移動地 |
|---|
islandicus
アイスランドチュウシャクシギ | アイスランド，ブリテン諸島 | 西アフリカ |
phaeopus
ヨーロッパチュウシャクシギ | 北ヨーロッパから北中央シベリア | アフリカ，ヨーロッパ，南西および南アジア，
西南東アジアからタイ・マレー半島 |
alboaxillaris
ア
ラビアチュウシャクシギ | ボルガ川下流から北カザフスタン，
南西シベリア | ペルシャ湾，紅海，西インド諸島，南東アフリカ |
rogachevae
シベリアチュウシャクシギ | 中央シベリア | ？ |
variegatus
チュウシャクシギ | 北東シベリア | 日本，東中国，南東アジア，オーストラリア |
rufiventris
アラスカチュウシャクシギ | アラスカ，北西カナダ | 北アメリカ西沿岸，中央および南アメリカ |
hudsonicus
アメリカチュウシャクシギ | 北中央カナダ | カリブ海沿岸，南アメリカ |
種Numenius phaeopusの亜種の識別ポイント
| 亜種名 | 尻，上尾筒 | 翼下面 |
|---|
islandicus
アイスランドチュウシャクシギ | phaeopusと同じ．phaeopusより少し小さい(5). |
phaeopus
ヨーロッパチュウシャクシギ | 背は白，尻も白，下尾筒は白地に茶色の縞模様 | 初列雨覆，初列風切，次列風切は白地に淡い茶色の斑，雨覆から翼腋にかけて白地に茶色の幅広い縞模様，脇腹から下尾筒にかけて白(5,6) |
alboaxillaris
アラビアチュウシャクシギ | 尻及び上尾筒は白 | 初列雨覆，大雨覆は白っぽい，P6-10は基部が淡い茶色で先端は濃い．残りの風切羽は白と茶色の縞模様(1,2,3,7) |
rogachevae
シベリアチュウシャクシギ | ? | ？ |
variegatus
チュウシャクシギ | 尻，上尾筒は白地に茶色の斑点(8,9) | 淡い茶色地に濃い茶色のまだら模様(8,10) |
rufiventris
アラスカチュウシャクシギ | 上部に白い模様はない | 初列風切，次列風切雨覆は暗色の茶色と淡い茶色の縞模様．初列雨覆は羽縁が濃い茶色(4) |
hudsonicus
アメリカチュウシャクシギ | 上部に白い模様はない(4,5) | 茶色と淡い茶色の斑模様，風切羽は黒っぽく，雨覆は赤味を帯びる(4) |
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参考文献
- Field Guide to the Birds of East Africa, 2002, 0-85661-079-8
- Birds of Southern Africa, 2022, 978-1-92836-312-5
- Birds of the Middle East 2nd ed., 2010, 978-0-7136-7602-0
- The Sibley Field Guide to Birds of Western Norht America, 2003, 0-679-45121-8
- Europe's Birds, 2021, 978-0-691-17765-6
- Collins Bird Guide 3rd ed., 2022, 978-0-00-854745-5
- Birds of Central Asia, 2012, 978-0-691-15337-7
- Birds of Austraria 7th ed., 2007, 978-0-7136-6982-4
- Birds of the Philippines, 2020, 978-84-16728-32-9
- A Field Guide to the Birds of South-East Asia, 2008, 971-1-78009-049-8
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