アイスランドカモメ(亜種クムリーンカモメ)

アイスランドカモメはグリーンランドで繁殖する基亜種アイスランドカモメLarus glaucoides glaucoidesと バッフィン島で繁殖する亜種クムリーンカモメ(Kumlien's Gull)L. g. kumlieniの2亜種がいます.
大きさはセグロカモメよりやや小さいのですが,冬季北海道に飛来するシロカモメLarus hyperboreusとよく似ています.
特に基亜種L. g. glaucoidesは見分けるのが難しいようです.
亜種L. g. kumlieniは翼に灰色の模様があり,翼を広げたところが観察できればフィールドでも区別できます.
2006年から2009年にかけて雲仙市の千々石海岸に毎冬やって来たクムリーンカモメの写真と北海道で撮影したシロカモメで識別のポイントを調べました.

図1は2007年2月24日に千々石で撮影したクムリーンカモメです.  図2は2006年2月8日に北海道濤沸湖で撮ったシロカモメです.両種とも静止したとき初列風切の先端部は白くセグロカモメのような黒い模様はありません. 全長はクムリーンカモメ52-60cm,シロカモメ62-70cmとシロカモメが大きいのですがフィールドで大きさのみで判断するのは難しいようです.ポイントは嘴と尾の長さです.
図3でAは嘴先端から基部までの長さ,Bは嘴基部から目の中央を通って後頭部までの長さ,Cは尾の先端から初列風切先端までの長さ(翼突出長),Dは3列風切先端から初列風切までの長さ(初列突出長)です.

図1 クムリーンカモメ

図2 シロカモメ

図3 各部の長さ

シロカモメは嘴の長さAが嘴から後頭部までの長さBの1/2より長く(2A≧B),さらにA>C,また翼突出長Cは初列突出長Dの1/2より短く(2C≦D),
クムリーンカモメはAがBの1/2より短く(2A<D),さらにA<C, またCはDの1/2より長い(2C>D)のが特徴です(*2).
図1,2夫々の写真をクリックすると詳細に表示します.
クムリーンカモメL. g. kumlieniは初列風切P7-10に濃い灰色の模様があります.この模様には多くの変異があり文献(*6)には多くの例が図示されています.図4でクムリーンカモメの翼の模様が判ります.図5はシロカモメで模様はありません.
したがってこの模様でクムリーンカモメは同定することができます.

図4.クムリーンカモメの翼の模様

図5.シロカモメの翼

トップページ   カモメの識別