アメリカセグロカモメ

 アメリカセグロカモメsmithonianusもモンゴルカモメ,セグロカモメに似ているので識別が難しいカモメ類です. 前述のモンゴルカモメ,セグロカモメの識別と同じように翼の模様の違いで識別するのが安全なようです.
  文献(13)に記載されている初列風切の写真と一致する翼の模様をもった個体を千々石海岸で観察していますので紹介します. 下の写真は2016年1月8日に千々石海岸で撮影しています.
 アメリカセグロカモメの下面の舌状模様はセグロカモメ,モンゴルカモメの模様より長いのが特徴です. P10の舌状模様(写真の1)は長さがP10全体の長さの半分以上で先端が矩形状になっています. P7-9の舌状模様も長くP8がP7,9より長くなっています(写真の2).結果としてP7,8は上面先端のムーンが明瞭に見え, P9にスリット状の灰色の筋が見えます(写真の3). P5上面の先端の黒斑(写真の4)は”W"の形をしています(Wを時計回りに90°回転させた形). 文献(13)によれば写真の1と写真の4が同時に現れる個体はアメリカセグロカモメとされています. ヨーロッパセグロカモメ,ニシヨーロッパセグロカモメは多くがP10の舌状模様は先端が斜めにとがっています(13). またセグロカモメはP8上面,モンゴルカモメはP7上面に灰色の筋状模様が現れることが多くP9に現れることはありません.


雲仙市 2016年1月8日

参考文献:13

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