オオセグロカモメ(schistisagus)は北東シベリアからロシア極東沿岸および北海道で繁殖し,
冬季は台湾までの南部に移動する大型のカモメです.亜種はいません(2).
北海道では下の写真のように海岸の岩場に枯草で巣を作り営巣します.岩礁の海岸を好むようで砂浜で見かけるのは少ないようです.
オオセグロカモメは全長61-66cm,翼長145-150cm,背の濃度コダックグレースケール(以下GS)11-12で丸い頭部,直線的で分厚い嘴,太くて赤紫色の足をしています(6).
セグロカモメ類(セグロカモメvegae,モンゴルカモメmongolicus,アメリカセグロカモメsmithsonianus)に似ていて九州ではこれらのカモメ類との見分け方が必要となります.
セグロカモメ類は全長54-67cm,翼長120-155,背の濃度GS3.5-7とされていて(4, 6),オオセグロカモメが体は大きく,背の濃度も濃く簡単に識別できそうですが注意を要します.
全天が雲で覆われた曇天の日は背の濃度差で容易に見分けられますが,晴天の日はそう簡単ではありません.
下の2枚の写真は上が曇天の日に,下が晴天の日に撮影したものです.上の写真ではオオセグロカモメの背ががセグロカモメより暗く写っていますが,下の写真はセグロカモメ(左側)の背のほうが暗く写っています.
オオセグロカモメの営巣 北海道 2002年6月1日
左:セグロカモメ,右:オオセグロカモメ 雲仙市 2007年2月18日
左:セグロカモメ,右:オオセグロカモメ 雲仙市 2015年2月24日