セグロカモメ類(1/11)

  セグロカモメ(vegae),モンゴルカモメ(mongolicus),アメリカセグロカモメ(smithsonianus),ヨーロッパセグロカモメ(argentatus),ニシヨーロッパセグロカモメ(argenteus)は よく似ていて屋外で羽をたたんで静止しているときは特別な場合を除き識別できません.結論から言うと換羽の時期の違い,翼および尾の模様でしか見分けることはできません.
頭部冬羽になる時期,初列風切換羽完了時期
亜種セグロカモメモンゴルカモメアメリカセグロカモメヨーロッパセグロカモメニシヨーロッパセグロカモメ
学名vegaemongolicussmithsonianusargentatusargenteus
頭部9月中旬11月初旬8月下旬8月下旬8月初旬
P101月上旬3月下旬11月上旬12月下旬12月下旬
成熟した成鳥の頭部および初列風切の換羽時期を右の表に示します(出典*2,および実測値).モンゴルカモメの換羽時期については,文献(*2)では「さらなる情報が必要」, (*7)には「初列風切の換羽は早く11~12月に完了する個体が多い」,(*8)には「12月下旬〜1月上旬には完了し2月には頭部が真っ白な夏羽になる個体もいる」と異なった値が示されています. 長崎県雲仙市の海岸でモンゴルカモメの換羽時期を観察した結果,初列風切の換羽完了時期は2月下旬から3月下旬,また頭部が冬羽になる時期は10月下旬以降でした(詳しくはこちら). 文献(*2)のモンゴルカモメ以外のデータとモンゴルカモメの実測したデータを比較すると 初列風切,頭部ともモンゴルカモメの換羽の時期が一番遅くなっています.九州西海岸ではウミネコを除く大型のカモメ類は9月下旬から飛来します. 9月下旬から10月にかけてモンゴルカモメの頭部は白く初列風切のP6-10は旧羽が残っています. これに対しほかの亜種はすでに冬羽の頭部でP6は伸長中もしくは新羽になっています.10月はこの外観の差でモンゴルカモメの識別をすることができます.
下の2枚の写真をご覧ください.上はモンゴルカモメです.頭部は純白でP6-10は旧羽で残っています.これに対し下のセグロカモメはP5,6は換羽が完了し新羽でP7は見えず,P8-10は旧羽が残っています.九州で10月に頭部が白くP6-10が旧羽のカモメはモンゴルカモメと判断して良いでしょう.


トップページ   カモメの識別   次のページ