カモメの識別

  カモメ属(Larus)には23種,28亜種のカモメがリストアップされています.(*1)詳しくはこちら
九州西海岸の有明海,橘湾では毎年10月から3月にかけて多くのカモメ属のカモメを見ることができます.これらのカモメは近づいてよく見るとアイリス,嘴の模様など1羽1羽違っていて同じに見える個体はいません.

これらの種,亜種をどう識別するか,多くの図鑑,ハンドブック,文献に記載されていますが,実際にフィールドで識別を試みると大型のカモメにはほとんど役に立ちません. これらの多くの解説は自ら繁殖地で調査した結果なのか(越冬地では色々な種,亜種が混在し識別方法が確立されていない場合は特定できません)それとも他の文献からの引用なのかはっきりしません. また他の種,亜種との違いが図又は写真もしくは数値で示されていることはほとんどなく,たまに相反する記載も見受けます. カモメではありませんが,間違った記述で多くのバーダーが誤認している野鳥がコメボソムシクイ(Seicercus borealis borealis(J.H. Blasius,1858)(*1)英名:Arctic Warbler,北極のムシクイ)です.日本野鳥の会出版の「フィールドガイド日本の野鳥,1994年増補版」に 「ジジロジジロとさえずる」と記載されていますがコメボソムシクイは「ジジロジジロ」とは鳴きません.鳴き声はこちら   「ジジロジジロ」と囀るのはSeicercus examinandus(Stresemann,1913)(*1)英名:Kamtschatka Leaf Warbler,カムチャッカのムシクイ(鳥学会日本鳥類目録第7版ではオオムシクイ)です. 特に ベテランのバーダーにはコメボソムシクイがオオムシクイに和名が変わったと思っておられる方が多いようです.

このような間違いを避けるため複数の文献を参考に,繁殖地での調査報告に重きを置いてフィールドでの観察と撮影した写真で識別の方法を調査しました(参考にした文献は末尾に番号を付けて記載しています). 2002年ごろから観察をはじめ2005年に書籍”Gulls of Europe, Asia and North America”(*2)を購入し(この本は著者が自ら調査した項目以外はすべてその出典(1200以上)が明らかにされています), これに記載されている内容を参考に,できるだけカモメに近づいて(写真撮影して虹彩の模様がわかるくらい),羽をたたんで静止した状態,翼の表裏などを撮影し検討しました.

いくつかの種,亜種についてある程度判断できるデータが揃いましたので九州西海岸で観察したカモメの識別について順次紹介していきます.なお,各論をご覧になる前に「基本的なことがら」を必ずお読みください.

基本的なことがら

和名

色と明暗

各部の名称

換羽

識別

ウミネコ

セグロカモメ類

ヒメセグロカモメ

オオセグロカモメ

クムリーンカモメ

参考文献

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