ヒメセグロカモメ(1/7)

ヒメセグロカモメLarus fuscus(種小名fuscusにたいして"ニシセグロカモメ"が多く使われていますがヨーロッパセグロカモメと紛らわしいので英名Lesser Black-backed Gullを和訳してヒメセグロカモメとしています)には ヒメセグロカモメ(別名バルトカモメ)fuscusタイリクヒメセグロカモメ(*5)intermediusニシヒメセグロカモメgraellsiiホイグリンカモメheugliniステップカモメbarabensisの5亜種がリストアップされています.これら5亜種のうちバルトカモメ,タイリクヒメセグロカモメ以外はフィールドで識別するのは難しく完全な識別法はないとされています(*2).言い換えると「識別できない個体がいる」ということです. ここで紹介する識別方法もすべての個体を識別できるものではありません.亜種間の重複した形質を持つ個体については識別できません.写真撮影したもので識別可能な各亜種を解説します.

バルトカモメ

バルトカモメは日本での記録は無いようですが東南アジアのタイ中部で記録があります(*15).全長48-56cmで4年で成鳥になるグループですがより早く成鳥になるものもいるようです. 上面は黒く(GS13-17,反射率1.7-4.4% *2),スマートな体,長く尖った翼,薄く細い嘴,黄色い足(ピンクではない),小さな白いミラー,初列風切先端の小さな白い斑,初列風切のムーンは無く,10-3月に頭部に灰色の滲みがあります(*4). 下の写真はストックホルム,バルト海で6月に撮影したものです.黒い上面,僅かな肩羽斑(写真の1),フラットな嘴底角(写真の2),黄色い足(写真の3),P10の小さなミラー(写真の4),P5-10先端の小さな白斑(写真の5), 初列風切にムーンは無く(写真の6),翼下面は初列風切および次列風切は黒く雨覆いと白黒の模様ができます(写真の7).カモメ属の中でよく似ているのはオオカモメmarinusだけで他の種,亜種にはこのような特徴を持ったものはいません. オオカモメは体が大きく,足はピンクで,P10のミラーおよびP5-10先端の白斑は大きく識別することができます.

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